アメリカでのISIS関連事件、主流は「一匹狼」よりチームタイプ
連邦捜査局(FBI)のコミー長官は、マティーン容疑者の真の動機は依然として明らかではないが、外国のテロリストグループに刺激されたと見られる有力な兆候が見られ、同容疑者の過激化の一因はインターネット上にあることを関係当局が「強く確信」していると話している。
集団のダイナミズム
法執行機関によるホームグロウン(自国育ち)の過激主義対策の取り組みでは、集団のダイナミズムに対する関心が強まっている。ニューヨークで開催されたテロ対策に関する会議で、コミー長官は、過激化した可能性のある個人がネット上で目立った動きを見せていない場合、捜査官がそうした個人を特定するには、家族や友人たちの協力が必要になる、と述べている。
「外出して、小人数のグループと接触するとしたら、その姿を目にするのは誰か。同じコミュニティの人々だ」と同長官は言う。
2月、FBIは新たなウェブサイトを立ち上げた。ティーンエイジ世代の若者に過激主義の危険性を教え、親やコミュニティの有力者に、若者の問題行動に関して介入や通報のタイミングを判断する一助とすることが狙いだ。
司法省は、IS関連の事件90件のうち、約半数で有罪判決を勝ち取っている。それ以外の事件はまだ審理中であり、罪状の一部については法廷で立証されておらず、被告側から異議が申し立てられている。
共犯者間の関係は、ちょっとした知り合い程度から大の親友、夫婦やいとこ、ルームメイトから大学の同級生まで、多種多様である。
いくつかの事件では、そうしたグループに、同一のコミュニティ出身の被告が複数含まれている。たとえば、ミネソタ州で行われた広域捜査では、ソマリア系米国人10人がIS支援を計画した容疑で告発されている。そのうち3人は今月行われた公判で有罪判決を受け、他にも6人が罪状を認めている。