最新記事

テロ

アメリカでのISIS関連事件、主流は「一匹狼」よりチームタイプ

2016年6月17日(金)19時21分

 12月にサンバーナーディーノで14名が殺害された事件では実行犯が夫婦であったように、共犯者同士がもっと親密な関係であるケースも見られる。

 FBIのおとり捜査員と気づかずに協力してしまい、起訴される被告も増えている。潜在的な攻撃者を特定するにあたって、連邦当局がソーシャルメディアに比較的分かりやすいエサをまくよりも、現場の捜査員による情報活動に頼る比重が増えているためだ。

 専門家によれば、直接顔を合わせることによって過激主義的な傾向が加速され、グループが暴力的行動に向かう場合があるという。また、こうした接触によって、本来であればジハード(聖戦)主義の魅力になど影響を受けなかったであろう人が引きこまれてしまうこともある。

 ブランダイス大学で過激主義の研究を専門とするジッテ・クラウセン教授は、「本当の一匹狼は通常、精神に障害がある。だがジハード主義者のなかで真の精神障害者は非常に少ない」と語る。

 専門家のなかには、ネット上のプロパガンダは、「火をつける」というよりも、すでに燃えている火を「かき立てる」だけという見方もある。

 「Match.comのような(恋人探し)サイトが、利用者同士がまったく会えないように作られていたらどうだろうか」と語るのは、ノースイースタン大学で過激主義組織を研究するマックス・エイブラムス教授。「実際に直接会うことに代わる関係構築など存在しない」

<不安に「つけ込む」>

グループのあり方が重要な役割を果たしていることを示す事件の1つが、ニューヨーク地域の6名の被告をめぐる件である。

 検察官によれば、ネイダー・サアデ被告と友人であるニューヨークシティ大学の学生ミュンター・オマル・サレー被告は、2013年に、世界の終わりが近づいていると確信した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ispace、開発遅れでエンジン変更 日米の月着陸

ビジネス

中国の銀行株が上昇、銀行株保有規制の緩和検討と報道

ビジネス

三菱電、ローム・東芝の半導体事業の統合に向け協議開

ワールド

UAE、ホルムズ海峡防衛へ多国籍部隊の創設働きかけ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:BTS再始動
特集:BTS再始動
2026年3月31日号(3/24発売)

3年9カ月の空白を経て完全体でカムバック。世界が注目する「BTS2.0」の幕開け

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 2
    作者が「投げ出した」? 『チェンソーマン』の最終回に世界中から批判殺到【ネタバレ注意】
  • 3
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊張緩和の兆しか
  • 4
    「俺たちはただの人間だ」――BTSが新アルバム『ARIRAN…
  • 5
    親の遺産はもう当てにできない? ベビーブーム世代…
  • 6
    まずサイバー軍が防空網をたたく
  • 7
    意外と「プリンス枠」が空いていて...山崎育三郎が「…
  • 8
    デンマーク王妃「帰郷」に沸騰...豪州訪問で浮かび上…
  • 9
    「予想よりも酷い...」ドラマ版『ハリー・ポッター』…
  • 10
    実は「ミュージカルはポリティカル」?...社会の闇を…
  • 1
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公開...母としての素顔に反響
  • 2
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ海峡封鎖と資源価格高騰が業績を押し上げ
  • 3
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラリアの「NVES規制」をトヨタが切り抜けられた理由
  • 4
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 5
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店…
  • 6
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」…
  • 7
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反…
  • 8
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 9
    中国の公衆衛生レベルはアメリカ並み...「ほぼ国民皆…
  • 10
    イランは空爆により核・ミサイル製造能力を「喪失」…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 10
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中