6月24日イギリス国民投票結果はEU離脱! その後のシナリオは......
5月31日、EUは6月23日の英国民投票を控え、EU離脱(ブレグジット)の結果が出た場合のシナリオ作りを進めている。写真はブレクジット・キャンペーンの大型ポスター。マンチェスター・オルトリンシャンで5月撮影(2016年 ロイター/Phil Noble)
欧州連合(EU)は6月23日の英国民投票を控え、EU離脱(ブレグジット)の結果が出た場合のシナリオ作りを進めている。数多くのEU高官や加盟諸国外交官への取材に基づき、離脱の場合の「行程表」をまとめた。
【関連記事】【まとめ】イギリスEU離脱を問う国民投票23日、結果判明までの流れ
●24日(金曜)─3つ、もしくはそれ以上のR
投票締め切りは23日午後10時(2100GMT=日本時間24日午前6時)。主だった出口調査は計画されていない。投票結果はブリュッセルで夜が明けるころに判明する見込み。
キャメロン英首相は国民投票で離脱が決まれば、「速やかに」EUに通告するとしているものの、少なくとも数日かかる可能性もある。首相にとって敗北を意味する離脱となれば、保守党内から辞任圧力が強まるだろう。辞任の圧力はたとえ残留が決まっても強まる可能性もある。
金融市場は荒れ、イングランド銀行(英中央銀行)と欧州中央銀行(ECB)はポンドやユーロに対する「ブレグジット・ショック」への対処方針を用意している。
加盟国のEU問題担当相や大使らが午前10時(0800GMT)までに定例会合のためルクセンブルクに集まる。行動をとるための最初の機会となる。
ドイツとフランス、EUの各機関は共同声明を発表する見込み。EU創設6カ国(ドイツ、フランス、イタリア、ベルギー、オランダ、ルクセンブルク)の外相が24日にベルリンで会合を開く可能性がある。
欧州委員会のユンケル委員長が午前10時30分(0830GMT)に、ブリュッセルの本部でトゥスクEU大統領、シュルツ欧州議会議長を会談。持ち回りのEU議長国を現在務めるオランダのルッテ首相も参加し、メッセージを発表する。
「遺憾(Regret)」、英国民の意思の「尊重(Respect)」、EU統合に向けた「決意(Resolve)」という3つの「R」が盛り込まれそうだ。
メッセージには4つ目のRが盛り込まれる可能性も。それはおそらく「報復(Reprisal)」だ。離脱する国が直面する苦境を警告することによって、他国が追随しないよう先手を打つ狙いだ。