フロリダ乱射事件、FBIが2度聴取したマディーン容疑者の「素顔」
米国でテロ関連の逮捕が増加するなか、こうしたFBIによる聴取は、米国がホームグロウン(自国育ち)の過激派を阻止するうえで直面する問題を浮き彫りにしている。
米国では昨年、少なくとも71人が聖戦に関わる事件で訴追され、2001年の9.11事件以降で最多となった。また、下院国土安全保障委員会による昨年9月の推定によれば、イラクやシリアで過激派グループに参加、もしくは参加を試みた米国人の数は250人を超える。
不安定な人
前出のFBI当局者によると、マティーン容疑者は事件のあった12日時点で、捜査あるいは監視対象にはなっていなかったという。
また、同容疑者が同日朝に警察に電話をかけ、過激派組織「イスラム国(IS)」指導者への忠誠を誓ったと、FBI当局者は明らかにした。ただし、それがどの程度のものなのかは不明だ。
米テロ対策当局者の1人は「これがISと直接関係しているとの証拠はまだない。われわれが現在までに知る限りでは、容疑者の最初の直接的なコンタクトは忠誠の誓いだった」と、事件前の電話に言及して述べた。
当局によると、マティーン容疑者は電話のなかでボストン・マラソン爆破事件の容疑者らにも触れていたという。
ワシントン・ポスト紙によれば、マティーン容疑者の元妻は、同容疑者とは約8年前にインターネット上で知り合い、結婚するためにフロリダに引っ越してきた。
「彼は安定した人ではなかった。洗濯が済んでいないからなどと言って、帰宅するなり私を殴り始めた」と元妻は語っている。
(Zachary Fergensen記者 翻訳:伊藤典子 編集:高橋浩祐)