ミレ二アル世代は過去、アメリカ企業はジェネレーションZに照準
広告代理店スパークス・アンド・ハニーのエディトリアルディレクター、ショーン・マホニー氏によると、Z世代がこれより前の世代と異なるのは、スマートフォンやインターネットが普及した環境で成長し、サービスのスピードをより重視する点。また2007─09年の「グレート・リセッション」の際に親が苦労した姿を見ているため、リスク回避志向も強いという。
ロイターが決算発表時のアナリスト向け説明会や投資家との会合の資料を調べたところ、大手企業10社がZ世代に具体的に言及していた。これは過去6年間の累計よりも多い数だ。
食品大手キャンベル・スープは、遺伝子組み換え作物を利用した原料を含む食品の表示に反対するのを取りやめた理由として、Z世代の透明性重視の傾向を挙げた。
またオンライン証券のチャールズ・シュワブは、同社のファイナンシャルアドバイザーが個々の投資判断を下すだけでなく「人生の指南役」に近い存在になるとの見通しを示した。ハイテクを信頼するZ世代が成人に達し、投資判断に当たって人よりもコンピューターモデルに重きを置くためだという。
Z世代に言及した10社はいずれもこの世代が消費を重視すると指摘し、将来顧客となる世代との間にルートを持っていると投資家に強調した。
企業はいつの時代も若者をターゲットとしてきた。しかし、Z世代に言及する企業の取り組みには、以前から10代を顧客層としてきた企業と異なる点がある。例えばパイパー・ジェフリーによると、食品はより娯楽的なものだとの見方が強まっており、今の10代のレストランでの支出は2003年のミレニアル世代の水準よりも20%多い。
レストラン向け機器メーカーのミドルバイは、スマホや食品配達アプリの普及でZ世代は全てのレストランが配送サービスをすることを望んでいると投資家に説明。大量の食品を調理するために高速オーブンの需要が増えると見込んでいる。
(David Randall記者)