最新記事

アメリカ社会

ミレ二アル世代は過去、アメリカ企業はジェネレーションZに照準

2016年5月29日(日)12時06分

 広告代理店スパークス・アンド・ハニーのエディトリアルディレクター、ショーン・マホニー氏によると、Z世代がこれより前の世代と異なるのは、スマートフォンやインターネットが普及した環境で成長し、サービスのスピードをより重視する点。また2007─09年の「グレート・リセッション」の際に親が苦労した姿を見ているため、リスク回避志向も強いという。

 ロイターが決算発表時のアナリスト向け説明会や投資家との会合の資料を調べたところ、大手企業10社がZ世代に具体的に言及していた。これは過去6年間の累計よりも多い数だ。

 食品大手キャンベル・スープは、遺伝子組み換え作物を利用した原料を含む食品の表示に反対するのを取りやめた理由として、Z世代の透明性重視の傾向を挙げた。

 またオンライン証券のチャールズ・シュワブは、同社のファイナンシャルアドバイザーが個々の投資判断を下すだけでなく「人生の指南役」に近い存在になるとの見通しを示した。ハイテクを信頼するZ世代が成人に達し、投資判断に当たって人よりもコンピューターモデルに重きを置くためだという。

 Z世代に言及した10社はいずれもこの世代が消費を重視すると指摘し、将来顧客となる世代との間にルートを持っていると投資家に強調した。

 企業はいつの時代も若者をターゲットとしてきた。しかし、Z世代に言及する企業の取り組みには、以前から10代を顧客層としてきた企業と異なる点がある。例えばパイパー・ジェフリーによると、食品はより娯楽的なものだとの見方が強まっており、今の10代のレストランでの支出は2003年のミレニアル世代の水準よりも20%多い。

 レストラン向け機器メーカーのミドルバイは、スマホや食品配達アプリの普及でZ世代は全てのレストランが配送サービスをすることを望んでいると投資家に説明。大量の食品を調理するために高速オーブンの需要が増えると見込んでいる。

 (David Randall記者)

[ニューヨーク 25日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

焦点:アサド氏逃亡劇の内幕、現金や機密情報を秘密裏

ワールド

米、クリミアのロシア領認定の用意 ウクライナ和平で

ワールド

トランプ氏、ウクライナ和平仲介撤退の可能性明言 進

ビジネス

トランプ氏が解任「検討中」とNEC委員長、強まるF
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇した「透けレギンス」投稿にネット騒然
  • 2
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はどこ? ついに首位交代!
  • 3
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 4
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 5
    「2つの顔」を持つ白色矮星を新たに発見!磁場が作る…
  • 6
    300マイル走破で足がこうなる...ウルトラランナーの…
  • 7
    今のアメリカは「文革期の中国」と同じ...中国人すら…
  • 8
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 9
    トランプ関税 90日後の世界──不透明な中でも見えてき…
  • 10
    米経済への悪影響も大きい「トランプ関税」...なぜ、…
  • 1
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 2
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 3
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最強” になる「超短い一言」
  • 4
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 5
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気では…
  • 6
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇…
  • 7
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトラ…
  • 8
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 9
    動揺を見せない習近平...貿易戦争の準備ができている…
  • 10
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 8
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中