イランがホロコースト風刺画コンテスト、シャルリ・エブドへの報復
イラン政府は過去にホロコーストを否認したことがある。マフムード・アハマディネジャド前大統領は05年の就任後まもなくホロコーストはシオニストがでっち上げた「神話」だと発言し、物議をかもした。最高指導者アリ・ハメネイ師も14年のノウルーズ(イラン暦の元日)に行った演説で、ホロコーストが「あったかどうかは不確かで、あったとしても、その実態ははっきりしない」と述べている。
イラン政府が関与か
今回のコンテストにいち早く抗議の声を上げたのは、風刺漫画家の格好のネタになっているイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相だ。15日にエルサレムで行われた定例閣僚会議で、イランは「ホロコーストを否認・愚弄し、さらなるホロコーストを準備するもの」と主張し、「世界中の国が立ち上がり、この暴挙を糾弾すべきだ」と声を荒げた。
米国務省のマーク・トナー報道官も同日、「(コンテストは)ホロコースト否認と歴史修正主義、言語道断な反ユダヤ主義の発言が飛び交う場として利用される」おそれがあると、米政府の憂慮を表明した。
「ホロコーストを否定したり矮小化する企ては扇動的で嫌悪すべきものだ。公的機関と市民社会はこうした不快な発言を奨励すべきではなく、強く非難すべきだ」
ニューヨーカー誌の先月号のインタビューで、イランのジャバド・ザリフ外相は、コンテストは非営利団体の主催によるもので、イラン政府は関与していないと言った。しかし、ショジャエイタバタベイも、彼と共にコンテストを企画した亡命イラン人ジャーナリストのアイダ・カジャルも、イラン政府は無関係かと聞かれてノーと答えている。