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自動車日産ゴーン社長「三菱自含めグループ強化、世界販売トップ3に入る潜在力ある」
三菱自の燃費不正問題は、日産の支援で業界再編へと変化
5月12日、日産自のゴーン社長、仏ルノーに三菱自動車も加え、成長すれば世界のトップ3に入る潜在力があると語る(2016年 ロイター/Thomas Peter)
日産自動車<7201.T>のカルロス・ゴーン社長は12日の決算会見で、すでに資本業務提携している仏ルノー(RENA.PA)に三菱自動車<7211.T>も加えると世界販売台数が1000万台に近づくことについて、「機械的な計算。目的ではなく、結果にすぎない」とした上で、成長すれば「世界のトップ3に入るポテンシャル(潜在力)がある」と語った。
2015年の世界販売台数は、日産と仏ルノー合計で約852万台、三菱自を加えると約959万台となり、約984万台で3位の米ゼネラル・モーターズ(GM.N)に次ぐ規模になる。首位のトヨタ自動車(7203.T)(約1015万台)、2位の独フォルクスワーゲン(VOWG_p.DE)(約993万台)も視野に入ってくる。
日産単独の2017年3月期の世界販売計画は前期比3.3%増の560万台。地域別では、中国で同4.0%増の130万台、北米は2.9%増の207万台、欧州は同2.2%増の77万台、日本は同1.3%増の58万台をそれぞれ見込む。
日本市場では、三菱自の燃費不正問題が発覚した主力の軽自動車2車種が販売停止を余儀なくされ、販売再開のめども立たないが、日産として軽自動車市場から撤退することは「まったく考えておらず、競争していく」と述べた。
<為替影響で今期は営業減益予想>
日産は12日、17年3月期の連結営業利益が10.5%減の7100億円となる見通しと発表した。世界販売は増加を見込んでいるが、為替の影響で減益予想となる。ゴーン社長は、為替相場が不安定だとして「慎重な見通しにした」と語った。
今期の前提為替レートは1ドル=105円(前期は120.2円)、1ユーロ=120円(同132.6円)。今期の営業利益予想に対して為替の影響が2550億円の押し下げ要因となる。ただ、ゴーン社長はロイターとの取材で、円高でも米国市場向けに日本から輸出している「ローグ」の国内生産は続けるとの考えを示した。
トムソン・ロイターのスターマイン調査によると、アナリスト27人の今期営業利益の予測平均値は7427億円で、会社予想はこれを下回っている。
(白木真紀 取材協力:田実直美)