突如飛び出した共和党「反トランプ連合」の成算は?
そこで改めてクローズアップされてきたのが、インディアナ州だ。現時点での世論調査結果では、トランプが39.3%に対してクルーズが33.0%と差は僅かで、19.3%という支持率のケーシックの票を「移動」できれば、クルーズにも勝算がないわけではない。
問題は、選挙協力の方法だ。完全な「2位・3位連合」を組むためには、文字通りの「一本化」をするのが常識的だろう。例えばインディアナの共和党員に対して、ケーシックは「私を支持する人はクルーズに入れてほしい」と訴える、あるいは陣営の組織を通じてそう徹底することが必要となる。
クルーズは比較的これに近いメッセージを出している。オレゴンとニューメキシコの支持者に、ケーシックに入れるように呼び掛けている。だが一方のケーシックは、曖昧な姿勢を見せている。26日にNBC「トゥデイ」の電話インタビューに応じたケーシックは、以下のように発言している。
「これはリソース(資源)の問題だ。ここまで来たら効率が必要なので、私はインディアナには行かないし、クルーズはオレゴンとニューメキシコには来ない。それだけだ。私はインディアナではテレビ広告もやめる」
「トランプをとめるのが目的ではない。ヒラリー・クリントンをとめるのが目的で、トランプを党大会で勝たせたらヒラリーの勝利が確定してしまう。共和党としては、それは絶対に避けなければならない」
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「しかし私は、インディアナの自分の支持者に、自分に入れるなとは言えない。私は大統領に立候補しているので、自分に入れるなということはあり得ない。第一、そんなことをしたら投票率が下がるじゃないか」
「混乱しているというのはメディアのあなた方だけじゃないのか。有権者は理解しているよ。分かる人には分かるんだ」
こうなると「腹芸」というレベルの話で、インタビューをしていたキャスター達は、最後まで「理解できない」と困惑した顔をしていた。
だがケーシックの発言を整理して、その意味合いを探るとしたら、次のようなことは言える。
まず「自分に入れるな」というと投票率が下がるというのは、意外に本当なのかもしれない。穏健保守の中道票は、極端な保守主義のクルーズとは水と油だから、あくまで「作戦」に乗ってもらうには、自主的にしないと支持者がヘソを曲げて投票所に来ない可能性がある。そうなったらトランプ陣営を喜ばせるだけ、というのは冷静な認識としてあるのだろう。