中国、豪華さより実用性、自家用ジェットもエコノミーに
中国本土の富裕層のこれまでの好みは、客室スペースが広いジェット機だった。9000万ドルもするエアバスの「A320」やボーイングの「737」を購入し、1000─1500万ドルかけて改造する人もいた。しかし、今や顧客の関心は小型機に移っている。
テキストロンは中国国有企業、中国国有航空機メーカーの中国航空工業集(AVIC)との合弁でこれまで「キャラバン」ターボプロップ機などを製造してきたが、現在は、小型ジェット機や実用的なターボプロップ機に注力しているという。
アジア・スカイ・グループによると、2015年の中国の航空機販売の伸びは6.6%と、2012年ピーク時の約49%から大幅に鈍化した。受注が減少していることから、販売は今後一段と落ち込む見通し。
増えつつあるチャータ機や中古機需要
航空機販売が低迷するなか、今年の上海航空ショーでは、中古機やチャーター機を扱う企業への関心が高まっている。
14席のビジネスジェット、「ガルフストリームジェット」は、1時間5万元(約7700ドル)でチャーターできる。
北京に拠点を置き、80以上のチャーター機を扱うディア・ジェットのバイスプレジデント、Fang Xinyu氏によると、これまでのチャーター機利用は娯楽などが主な目的だったが、最近はビジネス利用が多いという。
中古機が航空機販売全体に占める割合は30%と、米国などと比較すると依然低水準だが、3年前の10%からは増加している。
2010年に製造された最も人気のあるビジネスジェット「ガルフストリームG550」の中古は、当初売り出し価格(約6000万ドル)の半分程度で購入できる。200─300万ドルかけて「ガルフストリーム」の最新の内装にすることも可能だ。
個人へのジェット機売買を仲介する中国公務航空集団の最高経営責任者(CEO)、ジェイソン・リャオ氏は「新品の飛行機と比べると中古機は安く改装も可能でお得だ」と中古機市場に期待をかけている。
(Fang Yan 記者 Siva Govindasamy 記者、 翻訳:伊藤恭子 編集:加藤京子)
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