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米外交9.11関連の法案をめぐり、米議会幹部がサウジとの関係を懸念
被害者の遺族・親族がサウジ政府を提訴するための法案を要求
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4月19日、2001年の米同時攻撃9.11をめぐるサウジアラビア政府への責任を問う上院法案について、米議員らはサウジとの関係への影響を考慮することが重要と指摘。写真左ははサウジのサルマーン・ビン・アブドゥルアズィーズ国王。米ホワイトハウスで昨年9月撮影。
2001年9月11日の米同時攻撃(9.11)めぐりサウジアラビア政府に責任を問う内容の上院法案について、議員らはまだ確定していないとし、米・サウジ関係への影響を考慮することが重要と指摘した。オバマ米大統領は、署名しない方針を示している。
9.11の被害者の遺族・親族のなかには、飛行機乗っ取り犯の大半がサウジ国籍だったことを理由に、サウジ政府を提訴できるよう要求。しかし、これまでの調査では、サウジ政府の事件への関与を示す証拠は見つかっていない。
問題の法案は1月に上院司法委員会を通過したものの、上下両院本会議での審議の予定はいまだたっていない。
ライアン下院議長は記者団に「法案を審査し、わが国の同盟相手に対して過ちをおかさないよう、追及すべきでない人を追及しないようにしなければならない」と語った。
オバマ米大統領は、19日にサウジ訪問に出発する。ホワイトハウスの報道官は、オバマ大統領が法案を支持しておらず、署名しない方針だとしている。
上院外交委員会のコーカー委員長は、ロイターに、議員とオバマ政権は個人が外国政府を訴えることができるかどうかをめぐる懸念の解消に努めていると述べた。法案に対する支持・不支持の態度は明らかにしなかった。
この法案をめぐっては、サウジのジュベイル外相が、可決されれば、米国債など最大7500億ドル相当の米国資産を売却せざるを得ない、と米議員に語ったと16日付の米紙ニューヨーク・タイムズが伝えている。
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