G20閉幕、日米間で為替めぐり温度差ある一方、消費税増税延期にお墨付き
一方、ルー米財務長官は「為替で全体でみると確かに円高は進んだが、特に無秩序な動きではない」「日本は通貨の競争的切り下げは回避すべき」と会見で明言。日本側との温度差が明確になった。
ルー長官と麻生太郎財務相は14日にワシントンで会談。米財務省によると、G7、G20の為替に関するコミットメントを全ての国が順守することが重要との認識で一致したという。「全ての国」に日本も入るのであれば、円高が進んでも安易に介入はできませんよ、とクギを刺された可能性がある。
英フィナンシャル・タイムズ紙は麻生財務相がルー長官から「円安誘導は駄目」とクギを刺されたと解説した。実際、ルー長官は会見で「日本と中国はともに構造改革を進めるのが重要」と強調した。
インド財務相「金融政策は限界、財政検討を」
同時にルー長官は「日本は再び経済がマイナス成長に陥らないよう慎重であるべきで、将来の増税のペースについても、増税が財政支出の効果を相殺しないか慎重に点検すべき」と要求した。これは安倍首相周辺の、増税延期派の主張を支持する内容ともいえそうだ。
このほかインドのジャイトリー財務相が「金融政策の有効性は限界に達した」「公共工事を中心とした財政政策の余地がないか検討すべき時期だ」と述べ、先進国の金融政策依存に強い警鐘を鳴らした。
(竹本能文)
