最新記事

2016米大統領選

クリントン氏の視線は本選に、トランプ批判を本格化

候補者指名は確実とばかりに、本選の対戦相手を想定した発言を繰り出す

2016年3月3日(木)19時08分

3月2日、「スーパーチューズデー」でた候補に大差をつけて勝利を収めたヒラリー・クリントン前国務長官は既に、同じく大勝した共和党ドナルド・トランプ氏に照準を定めているようだ。フロリダで1日撮影(2016年 ロイター/Javier Galeano)

 米大統領選の党候補指名争いの天王山「スーパーチューズデー」で、11州中7州で勝利を収めたヒラリー・クリントン前国務長官は既に、同じく大勝した共和党ドナルド・トランプ氏に照準を定めているようだ。

 民主党では「民主社会主義者」を自称するバーニー・サンダース上院議員も指名を争うが、スーパーチューズデーを経て、クリントン氏は優位を固めつつあるため、トランプ氏に集中する余裕が生まれている。

 クリントン氏は早速、不法移民対策などでメキシコとの国境沿いに壁を築くことを提唱したトランプ氏を厳しく批判した。クリントン氏は、マイアミでの集会で「今回の選挙の意味は、かつてないほど大きい。相手方の主張がこれほどまでに低レベルだったことはない」と強調。「米国の分裂を図ろうとするのは間違っている」と語気を強めた。

 ニューヨーク・タイムズ紙の集計によると、現時点での代議員獲得数は、クリントン氏が527人、サンダース氏が325人。民主党の指名を獲得するには、2383人の代議員獲得が必要になる。

 民主党ストラテジストのジム・マンリー氏は、クリントン氏が早速トランプ氏を攻撃したことは必然ではあるが、危険もはらむ、と指摘。

 マンリー氏は「クリントン氏が本選に目を向け始めなければならないことは確かだ。ただリスクもないわけではない」と話す。トランプ氏が反撃することは必至であり「まさに急所を突いてくるはず」という。

 トランプ氏はこれまでにもしばしば、クリントン氏の国務長官時代のイラクやシリアへの対応を批判。さらに、同氏の夫のビル・クリントン元大統領をめぐる古いスキャンダルを蒸し返す構えも示している。

寄付の申し出増える

 クリントン陣営の資金調達担当者によると、本選を睨んだ寄付の申し出が増えており、選挙ボランティアを集めるのも容易になっている。

 大統領選では、党員集会・予備選段階で候補者1人当たり2700ドルの寄付が可能。本選までにさらに2700ドルの寄付が可能だ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米ロ首脳は2月末までに会談可能、ロシア報道官が高官

ワールド

ベトナム、25年成長率目標8%以上に引き上げ 中国

ワールド

焦点:欧州、独力でのウクライナ平和維持は困難 米の

ビジネス

インドネシア中銀、予想通り金利据え置き 緩和サイク
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 2
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「20歳若返る」日常の習慣
  • 3
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防衛隊」を創設...地球にぶつかる確率は?
  • 4
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 5
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 6
    1月を最後に「戦場から消えた」北朝鮮兵たち...ロシ…
  • 7
    祝賀ムードのロシアも、トランプに「見捨てられた」…
  • 8
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 9
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 10
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 1
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 2
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だった...スーパーエイジャーに学ぶ「長寿体質」
  • 3
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 4
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 5
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 6
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 7
    【徹底解説】米国際開発庁(USAID)とは? 設立背景…
  • 8
    週に75分の「早歩き」で寿命は2年延びる...スーパー…
  • 9
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 10
    イスラム×パンク──社会派コメディ『絶叫パンクス レ…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 8
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
  • 9
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵…
  • 10
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中