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注目される積極財政論、日本が抱える格下げリスク

2016年2月26日(金)10時51分

 日本国債の格付けが引き下げられれば、ほぼ自動的に邦銀の格付けも引き下げられる。足元でドル調達コストが上昇しているなかで、格下げされればコストがさらに上昇しかねない。ドル調達だけでなく、証券などの発行コストも上昇する可能性がある。

 消費増税見送りや財政出動が即座に、格下げと直結するわけではない。安倍晋三首相は、14年11月に消費再増税の延期を決定したが、S&Pが格下げしたのは15年9月。格付け判断においては、政策の効果で景気が持続的に回復し、財政再建に結び付くかどうかがポイントになる見通しだ。

 さらに日銀の「爆買い」が円債市場の需給を引き締めており、金利の急上昇や悪い円安は起きない可能性もある。しかし、「金利上昇という財政規律に対する警報機能が事実上失われた」(みずほ証券・チーフマーケットエコノミストの上野泰也氏)なかでは、それこそが日本にとって実は最も危険な状況かもしれない。

 (伊賀大記 編集:田巻一彦)

[東京 25日 ロイター]

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