プライベートジェットで「料金後払いの世界旅行」を実現する方法
そこで、もう一度、ブレインストーミングをして、どうすれば実現できるか考えてもらいました。すると、ものの数分で、うまくいく可能性のある方法が出てきたのです。二〇歳の若者のグループが各国を旅して、現地でビジネスを始める様子を記録したリアリティ番組を制作しようというのです。毎週、違う国や都市を取り上げ、現地のニーズに合わせた事業を考えます。視聴者は、さまざまな地域の暮らしや現地の事業環境を知り、若者が事業を立ち上げる様子を楽しみます。これを実現するために、地域ごとにスポンサー企業を探します。
こういう風にみると、資金なしで世界を旅行することは、それほど手の届かない目標ではないように思えてきます。学生はこのアイデアをこれ以上深めことはしませんでしたが、問題を違った視点からみると斬新なアイデアが浮かんでくることに気づきました。このようにフレームを変えることが、イノベーションのもうひとつのカギなのです。
シーリグによれば、思い描く未来にたどり着くために必要なことは3つある。第一が起業家的な心構えで、それは『20歳のときに知っておきたかったこと』にまとめたという。第二は、問題を解決し、チャンスを活かすためのツール。それは2作目の『未来を発明するためにいまできること』(高遠裕子訳、三ツ松新解説、CCCメディアハウス)で取り上げた。
そして第三に必要なのが、ひらめきを形にするためのロードマップだ。最新刊『スタンフォード大学 夢をかなえる集中講義』のテーマである。このシリーズでは、本書に収められたさまざまなエピソードをいくつか抜粋し、シーリグのメッセージと共に紹介していく。
※スタンフォード大学 集中講義(1):悪行をやり尽くした末、慈善活動家になった男の話
※スタンフォード大学 集中講義(2):レゴ社の「原点」が記されていた1974年の手紙
※スタンフォード大学 集中講義(3):ある女性の人生を変えた、ビル・ゲイツがソファに座った写真
※スタンフォード大学 集中講義(4):やる気の源を尋ねたら、その会社は数か月後に行き詰まった
※スタンフォード大学 集中講義(6):「解決策を100個考えなさい」とティナ・シーリグは言った
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『スタンフォード大学 夢をかなえる集中講義』
ティナ・シーリグ 著
高遠裕子 訳
三ツ松 新 解説
CCCメディアハウス
『20歳のときに知っておきたかったこと
――スタンフォード大学 集中講義』
ティナ・シーリグ 著
高遠裕子 訳
三ツ松 新 解説
CCCメディアハウス
『未来を発明するためにいまできること
――スタンフォード大学 集中講義II』
ティナ・シーリグ 著
高遠裕子 訳
三ツ松 新 解説
CCCメディアハウス