FOMCが利上げ政策の軌道修正を議論
金融市場では議事要旨公表後に、FRBが今年1度も利上げできないのではないかとの見方が高まった。CMEグループによると、フェデラルファンド(FF)先物の値動きから計算した12月の利上げ確率は約30%で、12月より前の会合については、より低い数値となっている。12月利上げの確率は議事要旨公表の直前では約40%だった。
1月のFOMC以降も世界的な金融市場の混乱は続いており、米国の主要な貿易相手国であるメキシコは17日、通貨ペソの対ドルでの下落に対応するため利上げに追い込まれた。
議事要旨によると、参加者は中国の減速がメキシコやカナダの重しとなる可能性に言及した。カナダも米国の主要な貿易相手国だ。
1月のFOMC時点では原油の急激な値下がりが続いていた。ただ17日は、サウジアラビアやロシアなど有力産油国が暫定合意した生産量の凍結にイランが支持を表明。原油価格は約7%値上がりした。
外国中銀との通貨スワップ協定を改めて承認したことも議事要旨で分かった。
イエレンFRB議長は先週、依然として緩やかな利上げを想定していると述べたが、世界経済の弱さや株安によって、FRBが望む以上に早いペースで金融環境は引き締まっているとの見方を示した。