ツイッターを締め出されたISISの御用達アプリ
ロシア製メッセージアプリ「テレグラム」で地下に潜るISIS
神出鬼没 ISISはネット利用をますます加速させている Dado Ruvic-REUTERS
ISIS(自称「イスラム国」、別名ISIL)が、ロシアで開発されたメッセージアプリ「Telegram(テレグラム)」内に「ヘルプデスク」を開設した。テレグラムは、高度に暗号化されたテキストや動画を手軽に共有できるアプリ。戦闘員にその使い方を指導し、ネット監視を回避できるようにするためだ。
アメリカの研究機関、中東報道研究機関(MEMRI)の報告書によると、ISISのサイバーセキュリティの専門家は先月末、「電子地平線財団(EHF)」という名前のグループを立ち上げた。
EHFは「ネットセキュリティや技術的な注意事項をムスリムの同胞たちに提供する」という。
【参考記事】米政府ツイッターのIS残虐情報は嘘だらけ
監視するほうにとっては由々しき事態だ。報告書によると、「ジハーディスト(イスラム聖戦主義者)たちは長らく技術的な情報を必要としてきたが、これまではパスワードで保護された仲間内のフォーラムに限られていた。しかし今では、情報入手の自由と容易度が高まり、監視の目が行き届かない恐れが強まっている。暗号で保護された個人アカウントとなれば尚更だ。」
現時点で、テレグラムのEHFの個人チャンネルには、約2200人のメンバーが登録している。ツイッターを締め出されたISISが、プロパガンダ拡散と戦闘員募集の主な手段としてテレグラムを使い始めたために、テレグラムに対する批判は高まっている。