人民元をSDR構成通貨にさせた習近平の戦略
アメリカは少なくとも、IMFで人民元がSDR構成通貨入りを拒否はしなかった。それでいながら南シナ海で対立しているようなパフォーマンスを演じている。こちらも、なかなかにしたたかだ。
人民元の国際的信用がどこまでいくかには疑問が残るものの、日本はせめてこれを契機に、反腐敗運動を権力闘争などと言って日本人を喜ばせるのは、やめた方がいいだろう。中国を見まちがえて、これ以上出遅れるのは日本にとって好ましくない。また形式上、どんなに日中友好といった交流をしても、中国の歴史認識に関する戦略は変わらないことを肝に銘じるべきだ。
[執筆者]
遠藤 誉
1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。東京福祉大学国際交流センター長、筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会科学研究所客員研究員・教授などを歴任。『チャイナ・セブン <紅い皇帝>習近平』『チャイナ・ナイン 中国を動かす9人の男たち』『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』など著書多数。近著に『毛沢東 日本軍と共謀した男』(新潮新書)
※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。