インド、日本の新幹線を採用――中国の反応と今後の日中バランス
だからこのたび中国政府の外交部は「鉄道分野において中印両国の指導者は、重要な共通認識を達成している。双方は各分野で実務的協力を加速することで一致し、鉄道はその中の重要な内容だ。中印双方は密接な意思疎通を保持している」と、抗議にも似た不満を、9日の時点で表明していた。
しかし、12日に結果は出てしまった。
そこで中国政府の通信社である新華社のウェブサイト「新華網」(網:ウェブサイト)は、「日本がインドの高速鉄道プロジェクトを持っていってしまい、軍事協定に署名した」と激しい非難報道をしている。高速鉄道建設の名を借りて、本当は軍事同盟を結ぼうとしているのだ、という意味である。日本はすでに武器輸出を解禁しており、インドはUS-2(海上自衛隊が運用する救難飛行艇)を含め先進的な武器装備の輸入を目指していると、軍事方向に論点をそらしている。
その一方で中国のネット空間には、インドの「経済時報」(The Economic Times)が「日本の鉄道技術は中国の技術よりも100倍もいい」というネットユーザーのコメントを載せたという情報が溢れかえっている。
それはそうだろう。
中国が高速鉄道建設に正式に入った2004年(最初のスタートは1990年)、本来なら新幹線技術を導入するはずだったのに、2005年の反日運動により阻止されてしまった。改革開放の総指揮者であった鄧小平は、日本の新幹線に惚れ込んだからこそ、中国の高速鉄道建設を急がせたのだったが、その後継者の江沢民(元国家主席)が反日の精神を扇動し、結果、自国に不利な状況を招いてしまった。そこでやむなくフランスのアルストム、カナダのボンバルディア・トランスポーテーションおよび日本の川崎重工などの「寄せ集め技術」を導入することになったため、事故が続発。その陰には江沢民の後ろ盾によって鉄道部部長になった劉志軍の「独立王国」いや、「腐敗王国」がある。劉志軍は腐敗により、技術に注がれるはずのお金を「100人以上の女」や「300棟以上の住宅」や「無数のポケットの中」などに注いでしまったのだ。事故が多発した原因には、こういう情況もある(詳細は『中国人が選んだワースト中国人番付 やはり紅い中国は腐敗で滅びる』の111頁~130頁)。(ちなみに死刑判決を受けた劉志軍だったが、本日12月14日午後、無期懲役に切り替わった。)