フランスがマリで直面するもう1つの対テロ戦争
2015年12月3日(木)17時21分
マリ軍も頼りにならない。数年にわたり米軍の訓練を受けたものの、12年には過激派との戦闘で即座に崩壊。あるマリの閣僚が言うには、マリ軍は「社会のくず。問題児に落ちこぼれに怠け者に犯罪者の集団」だ。
だが何よりの過ちは、首謀者ベルモフタールを殺害したとする確たる証拠がないことだろう。ベルモフタールのDNA証拠は発見されていない、と過激派は米軍の主張に反論する。
襲撃事件は、マリが最悪の事態に陥っていることを示した。安定化に貢献したと喧伝されていた仏軍介入が、何ら意味をなさなかった可能性すらあるのだ。
オランドはマリに「必要な支援」を行うと表明しているが、フランスはただでさえ対ISIS戦の強化を迫られる身だ。その上、今や本当の意味で決着のついたことなど一度もなかった相手との戦いに再び足を踏み入れるという、受け入れ難い事実にも直面している。
[2015年12月 8日号掲載]
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