男尊女卑のサウジで女性が選挙に初参加
「運転禁止」など女性の権利が大幅に制限された国で、19人の女性地方議員が誕生した意味
初投票 首都リヤドで投票を終えた女性有権者 Faisal Al Nasser-REUTERS
サウジアラビアで12日に行われた地方議会選で、少なくとも19人の女性が当選した。同国で初めて女性の立候補と投票が認められた選挙になる。
英字紙アラブ・ニュースによれば、13日の開票の結果、2106人の候補が当選し、そのうち19人が女性だった(女性議員の数を14~20人と報じる通信社もある)。
今年1月に死去したサウジアラビアのアブドラ前国王が、女性に地方参政権を与えると約束したのは2011年9月。約束がついに果たされた。11月29日の政府の発表によれば、最終的な立候補者は6917人で、うち979人が女性だった。
今回当選した女性たちは、全議席のわずか1%を占めるにすぎないが、聖地メッカからサウジ最大の東部州まで、当選した選挙区は多岐にわたる。彼女たちの多くは、働く女性のための託児所の時間延長を訴えたり、若者のためのスポーツ・文化活動のための公共施設設置を約束した、とAP通信は報じている。
選挙結果は大きな一歩ではあるものの、サウジの「女性の権利」改革は今も遅々として進まない。同国では女性の運転を禁じる法律はないのに、女性には運転免許証が発行されない。女性が車を運転すれば、罰金を科され、逮捕される危険もある。
国政レベルの有権者は国王だけ
他にも、パスポートの取得から結婚、旅行、高等教育まで、「男性保護者」の許可がなければ女性には認められないことばかり。