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ネット個人情報1億件の米サイバー犯罪で3人起訴、JPモルガンも標的
株価操作からマネーロンダリング、果てはオンラインカジノの運営まで、ダークネットの巣窟のよう
11月10日、米検察当局は米金融大手JPモルガン・チェースなどに大規模なサイバー攻撃を仕掛け、不正に数億ドルの利益を得たとして、イスラエル国籍の男3人を起訴したと発表した。写真はニューヨークのJPモルガン・チェース本店、2013年9月撮影(2015年 ロイター/Mike Segar)
米検察当局は10日、米金融大手JPモルガン・チェースなどに大規模なサイバー攻撃を仕掛け、不正に数億ドルの利益を得たとして、イスラエル国籍の男3人を起訴したと発表した。
当局によると、ジェリー・シャロン(31)、ジョシュア・サミュエル・アーロン(31)、ジブ・オレンスタイン(40)の3被告は12企業を狙ったサイバー攻撃で、2007年以降に1億人以上の個人情報を盗んだ。罪状は23に上る。シャロン被告とオレンスタイン被告は7月に逮捕されたが、アーロン被告はまだ拘束されていない。
被告らは株価のつり上げ、インターネット上のカジノ運営、犯罪組織向けの支払い手続き、資金洗浄などを行った罪で起訴されている。JPモルガンの顧客情報8300万件が流出した2014年のサイバー攻撃も含まれるという。
JPモルガンは10日、今回の起訴が14年の攻撃に関連したものだと認め、サイバー犯罪への対応で当局との協力を続けていくと表明した。
リンチ米司法長官は、今回のサイバー攻撃が「金融関連データの盗難としては過去最大規模の一つ」だったと述べた。
シャロン被告とアーロン被告がエジプトのサーバーを使ってハッキングを行ったという。
また、両被告と別のもう1人の被告は、米オンライン証券大手イー・トレード・ファイナンシャルやスコットトレードから1000万人以上の顧客の情報を不正に入手したとして起訴された。
TDアメリトレード・ホールディングと、ウォール・ストリート・ジャーナル紙を発行するダウ・ジョーンズも、サイバー攻撃の対象となったほか、事情に詳しい関係筋によると、米投資信託大手フィデリティ・インベストメンツも標的になったという。