最新記事

中国

聞け、人民の声!――抗日戦勝軍事パレード

世界に「君臨」するところを見せた習近平も、ネチズンから見れば裸の王様?

2015年9月8日(火)17時00分
遠藤 誉(東京福祉大学国際交流センター長)

皇帝のごとく 戦勝記念日に人民解放軍を閲兵する習近平 Damir Sagolj-REUTERS

 北京で軍事パレードが行われたことに関して、6億人にのぼる中国のネットユーザが叫びを上げた。ここにこそ中国人民の真の声が反映されている。中国を知るためにも軍事パレードの分析のためにも、貴重な声を拾ってみた。基本情報の解説も含めながら、ネットの声をご紹介する。

参加国に関して

 本来、習近平(シー・ジンピン)国家主席は西側先進国を軍事パレードに招いて、中国人民に「ほら、どうだ、すごいだろう!」というところを見せ、中国共産党による統治能力と求心力を高めようとした。そのためまずは、AIIB(アジアインフラ投資銀行)に西側諸国を中国に引き寄せ、その流れの中で軍事パレードにも参加させようと狙っていた。ところが蓋を開けてみると西側先進諸国の首脳は一斉に不参加。「経済ではなびいても、軍事では一線を画す」ことが明瞭となり、習近平はメンツを無くした。そのことに関連した声を先ずご紹介する。

「中国が反ファシスト戦争勝利を祝うのなら、最も来なくてはならないのはアメリカだろう! 中華民国の最大の盟友はアメリカだったんだぜ。(中略)だというのに、その肝心のアメリカが来ていない。来たのは国際刑事裁判所で戦争犯罪人および反人類罪で逮捕状が出ているスーダンのバジル大統領だ! 反人類罪の容疑者と、少数民族の種族を根絶やしにしようという"国際犯罪者"(筆者注:習近平のこと)が並んでるよ。これが世界反ファシスト戦争勝利記念の祝典なのかい?」

「潘基文(パン・ギムン)って国連事務総長だろう? 国連って、バジルの逮捕状を執行することに決めたんじゃないの? このメンバーの"団結"って、なんだい?」

「安倍(晋三)はたしかに来なかった。でも安倍の代理で、キヤノンとソニーとコニカが参加してるよ。閲兵式で使ったカメラはすべて日本製。CCTVのテレビ中継は日本のソニーのカメラ、閲兵式のマイクはソニー、記念撮影に使ったカメラは3台がキヤノン、2台がニコン。だって性能がいいだもん」

「30カ国の首脳が参加したって大宣伝してるけど、目立った国では西側から外されたロシアと、心変わりばかりしている韓国だけじゃないか。あとは、あってもなくても、どうでもいいような国ばかり。でもこれまで大金を注いできた甲斐があって、習包子(シー・バオズ)はようやく報われたと安心してるんじゃないかい?」(筆者注:包子は皮の薄い肉まんのこと。習近平(シー・ジンピン)が「自分がいかに庶民に近いか」を示すために、慶豊包子店に行って包子を食べたことから、「習包子」とか「包子帝」というあだ名が付いている)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

フジ・メディアHD、業績下方修正 フジテレビの広告

ビジネス

武田薬、通期の営業益3440億円に上方修正 市場予

ビジネス

ドイツ銀行、第4四半期は予想以上の減益 コスト削減

ビジネス

キヤノン、メディカル事業で1651億円減損 前12
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ革命
特集:トランプ革命
2025年2月 4日号(1/28発売)

大統領令で前政権の政策を次々覆すトランプの「常識の革命」で世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 3
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? 専門家たちの見解
  • 4
    トランプのウクライナ戦争終結案、リーク情報が本当…
  • 5
    緑茶が「脳の健康」を守る可能性【最新研究】
  • 6
    東京23区内でも所得格差と学力格差の相関関係は明らか
  • 7
    今も続いている中国「一帯一路2.0」に、途上国が失望…
  • 8
    血まみれで倒れ伏す北朝鮮兵...「9時間に及ぶ激闘」…
  • 9
    ピークアウトする中国経済...「借金取り」に転じた「…
  • 10
    フジテレビ局員の「公益通報」だったのか...スポーツ…
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 3
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果が異なる【最新研究】
  • 4
    日鉄「逆転勝利」のチャンスはここにあり――アメリカ…
  • 5
    緑茶が「脳の健康」を守る可能性【最新研究】
  • 6
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵…
  • 7
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? …
  • 8
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 9
    血まみれで倒れ伏す北朝鮮兵...「9時間に及ぶ激闘」…
  • 10
    煩雑で高額で遅延だらけのイギリス列車に見切り...鉄…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 5
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 6
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 7
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 8
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
  • 9
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 10
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中