最新記事

中国

聞け、人民の声!――抗日戦勝軍事パレード

2015年9月8日(火)17時00分
遠藤 誉(東京福祉大学国際交流センター長)

「故事にある"孤家寡人"とは、まさにこのことだ」(筆者注:"孤家寡人"とは「大衆から浮き上がって孤立していること」を指す。昔の君主が自分のことを「孤」とか「寡人」と称したことから、この故事がある。)

習近平とファシスト(ヒトラー)を比較して

「もし反ファシスト戦争勝利なんて謳わなければ、ファシストって何のことか知らなくってすんだのに、ファシスト、ファシストってうるさいからネットでファシストの意味を調べてみたら、なんと、わが中共体制とおんなじじゃない?」

「ファシストが反ファシスト戦争勝利を祝っているよ」

「道路をふさぎ、ビルも娯楽施設も公園も病院さえも封鎖して、外出を禁止し工場も停止させる。ネットだって"壁越え"を厳重に封鎖して、メディアに強制的に閲兵式を絶賛させる。......ねぇ、ファシストって何だっけ? 教えて!」(筆者注:壁越えとは、西側のネット情報を見ることができないように、国家が創ったファイヤー・ウォールである「万里の防火壁」を特殊なソフトを使って越え、西側諸国の情報を入手すること)

「習包子(シー・バオズ)は、自分の地位を高めるために民の血税を使って、反ファシスト記念日をファシスト復活日にしちゃったよ」(筆者注:軍事パレードを行うためには莫大な経費が掛かっている。ぜいたく禁止令を発布し、節約を呼び掛けながら、この浪費は許されるのかという書き込みは多い)

人民の自由は?

「一つの国家の本当の国威って、閲兵式によって示せるものじゃない。人民の自由とか、平等で公正な法治とか、一般民衆の尊厳と安心感を守ってこそ、国威って言うんじゃないの? こういうものが一切なくって、武器を持ちだすなんて、コンプレックスと自信がないことの表れでしかない」

「最もいい記念の仕方は、敗戦国の国民の生活より、戦勝国の国民の生活が良くなったことを示すことじゃないの?」(筆者注:日本国民の生活の方がいいということへの反語的表現)

「どんなにすさまじい閲兵式をやったって、あの天津大爆発で爆死した百数名の命さえ救えなかったじゃないか! 軍の力ってなに? あの爆発をもたらしたのは、この閲兵式で皇帝になっている"包子帝"が君臨する偉大なる中国共産党じゃないのか?」

「まるでファシストの手段で反ファシスト戦争勝利を祝っているみたいだ。(平和の象徴の)鳩の巣さえ締め出してるんだから。中華民国・国民党時代に蒋介石が閲兵式をやったことがあるけど(1934年)、みんな自由にワーッと集まって閲兵式を祝ったものだ。今はまるでヒトラーのときのように緊張している。草木皆兵(草も木もみな敵兵に見える)って言うけど、中国政府はまるで敵から防御するように人民から自分たちを防御している。何を怖がってるんだ?」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米国防権限法、トランプ氏署名で成立 過去最大の90

ワールド

米当局、ブラウン大銃撃の容疑者特定 MIT教授殺害

ビジネス

ソニーG、スヌーピーのピーナッツHD持ち分を追加取

ワールド

金価格、来年4900ドルに上昇へ 銅値固め・原油は
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末路が発覚...プーチンは保護したのにこの仕打ち
  • 2
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    ゆっくりと傾いて、崩壊は一瞬...高さ35mの「自由の…
  • 6
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 7
    中国の次世代ステルス無人機「CH-7」が初飛行。偵察…
  • 8
    おこめ券、なぜここまで評判悪い? 「利益誘導」「ム…
  • 9
    9歳の娘が「一晩で別人に」...母娘が送った「地獄の…
  • 10
    円安と円高、日本経済に有利なのはどっち?
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 6
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 7
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 8
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 9
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 10
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中