西アフリカのエボラ支援で中国がはじくソロバン
新たな投資への影響も
感染拡大には終息の兆しが見えず、西アフリカ諸国は経済的に著しい打撃を受けている。それは中国の経済的損失にもつながる。
例えば中国はリベリアに対し、01〜11年に2億9400万ドル以上の支援をし、12年には重慶対外建設公司が全長約180キロの道路建設の契約を勝ち取った。
50年代に中国といち早く二国間貿易協定を結んだギニアのケルタ水力発電プロジェクトでは、中国水利電力対外公司が4億4600万ドルの事業を請け負っている。
71年に中国と貿易協定を結んだシエラレオネは、11年には南アフリカを抜いて中国が最大の貿易相手国となり、大規模な鉱山開発投資のおかげで今年の貿易額は約20億ドルに達する見込みだ。
山東鉄鋼公司が20%の株式を保有するシエラレオネ最大の鉄鉱石生産業者、アフリカン・ミネラルズの先月半ばの声明によると、今年上半期は繁忙だったが、「ここ数週間は鉄鉱石の価格暴落とエボラ出血熱に対する不安の高まりから、最悪の事態に陥っている」。
アフリカ最大の経済で、01〜11年に中国から470億ドルを超える支援を受けているナイジェリアの中国商工会議所の副会頭は先月、エボラ出血熱が中国からの新たな投資の可能性に影を落としていると懸念を示した。
西アフリカの危機が中国にとって人ごとでないことだけは確かだ。
[2014年9月16日号掲載]