ポリオ撲滅活動の敵はイスラム武装組織
2014年8月7日(木)12時39分
武装組織に隠れて接種も
ボコ・ハラムは昨年2月に予防接種プログラムの関係者9人を殺害したほか、今年3月には3人を誘拐した。襲撃の背景には、外国人医療関係者への不信感に加え、欧米の科学や教育、医療がイスラムの教えに反するという考え方がある。
「(西洋医学は)イスラムの文化に根差したものではなく、彼らの価値観をゆがめるために使われているというわけだ」と、ピートは語る。
09年のBBC(英国放送協会)とのインタビューで、ボコ・ハラムの創設者モハメド・ユスフは自らのイスラム観と欧米の科学は相いれないと述べ、その後、公に予防接種を否定するようになった。
「ボコ・ハラムとパキスタンやアフガニスタンのタリバンは、イデオロギーや戦略も同じなら、もたらす危険も同じだ」と、ナイジェリア公民権会議のシェフ・サニ議長は英ガーディアン紙に語っている。
その一方でどの地域でも、武装組織に隠れて子供たちにこっそり予防接種を行う組織が生まれ、活動を展開している。
望ましい解決策とは言えないが「やらないよりはましだろう」とペートは言う。だが各地域の宗教指導者たちが予防接種に好意的な発言をしない限り、真の変化は訪れない。
[2014年7月29日号掲載]
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