介入主義に走るフランスの強気
オランドは10月半ば、元植民地の中央アフリカ共和国の危機に言及。安定化を図るため、駐留フランス軍を増派すると発表した。中央アフリカ共和国の安定化により、欧米諸国を脅かすイスラム過激主義派の勢力拡大を抑えることが狙いだ。
1月にはほぼ独力で、やはり元植民地であるマリで国際テロ組織アルカイダの脅威を食い止めることに成功している。
マリ北部で活動する反体制勢力(主に少数派トゥアレグ人から構成される)とアルカイダ系の組織が手を組んでマリ政府を転覆寸前まで追い込んだことを受け、オランドは4000人の精鋭部隊を派遣して反体制派を一掃した。
マリ南部の住民と北部の先住民トゥアレグ人との対立は、フランス軍が同国から5月に撤退を始めた後も残っている。だがアフガニスタンなどからマリに渡ったイスラム戦闘員らには、大きな打撃を与えることができた。今後も隣国チャドに駐留するフランス軍部隊950人が、彼らの動きに目を光らせる。
フランスは欧米諸国全般の利益より自国の利益を追求しているだけだという批判もある。だが米政府に残る数少ないタカ派のネオコン主義者からは、フランスを羨む声も聞こえる。
「フランスはまだ、かつての植民地への介入を続けている」と、アメリカの元国連大使ジョン・ボルトンは言う。「これをオバマに伝えたら、彼は反対するに違いないが」
[2013年11月 5日号掲載]