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パレスチナアラファトは83%の確率で毒殺された
殺人容疑で掘り起こされたアラファトの遺体の骨から、通常の18倍以上の濃度の毒物ポロニウムが検出された
犯人は誰? 不自然なアラファトの死には、以前から毒殺疑惑があった(04年、パレスチナ自治区ラマッラー) Ammar Awad-Reuters
スイスの科学者チームが、パレスチナ自治政府のヤセル・アラファト前大統領の遺体から採取したサンプルから、ありえないほど高濃度の放射性ポロニウム210を検出した。これはアラファトが毒殺された可能性を裏付けるものだ。
ポロニウムは放射性同位体で、06年にロンドンで亡くなった元KGB工作員のアレクサンダー・リトビネンコにも使われた毒物だ。
中東のテレビ局アルジャジーラが伝えるところによると、スイスのローザンヌ大学法医学研究所の調査チームがアラファトの肋骨と骨盤から通常の18倍以上にあたる濃度のポロニウムを検出したことを発表。調査にあたった科学者たちは、83%の確率でポロニウムがアラファトの死因だと確信しているとのことだ。
アラファトは、04年の10月12日にラマッラーにあるパレスチナ大統領府で食事を摂ったあとに突然吐き気を覚え、嘔吐と腹痛に苛まれた。この直前までアラファトの健康状態は総じて良好だった。容態は改善せず次第に悪化し、数週間後には昏睡状態に陥った。そのままアラファトは11月11日にパリで、原因不明の病気で亡くなっている。
アラファトの墓が掘り起こされたのは、12年にアルジャジーラが行ったアラファトの死因調査をきっかけにフランスで殺人容疑の捜査が始まったため。
スイスの調査チームは、検体としてアラファトの遺体から20のサンプルを採取。ほかにフランスとロシアの調査チームもアラファトの遺体から検出したサンプルを検査中だが、その結果はまだ公表されていない。
イギリスの法医学者デイブ・バークリーは、「スイスの調査結果で、アラファトがポロニウムで毒殺されたことを確信した」とアルジャジーラに語っている。「アラファト毒殺の決定的証拠を見つけた。誰が毒を盛ったのかは分からないが」
アラファトの妻スーハはガーディアン紙に「死が避けられない運命なのは、皆同じ。でも毒殺となれば話は違う。われわれは、アラファトを失った悲しみに再び襲われている」とコメントした。
From GlobalPost.com特約