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円建てシフト継続、市場急変には柔軟対応=朝日生命・25年度運用計画

2025年04月25日(金)19時02分

 4月25日、朝日生命保険は2025年度の一般勘定資産運用で、円建て資産への移行を緩やかに進める方針を決めた。写真は円紙幣。2022年9月撮影(2025年 ロイター/Florence Lo)

Shinji Kitamura

[東京 25日 ロイター] - 朝日生命保険は2025年度の一般勘定資産運用で、円建て資産への移行を緩やかに進める方針を決めた。円金利上昇リスクをにらみ大規模な積み上げは行わないが、金利上昇局面で保有銘柄の入れ替えなどを進める。機動的な為替ヘッジで外債投資も継続する。

資産運用企画部長の内村伸明氏が取材に応じ、明らかにした。

国内債は償還が多いため450億円減少する計画だが、金利上昇局面では利率の高い銘柄へ入れ替えて、収益力を向上させる。内村氏は「まだ円金利は上昇する可能性があると見ているので、変更は徐々に進める。残高は減少予想だが、結果的に横ばい程度になる可能性もある」としている。

外債は1000億円積み増す予定だが、為替ヘッジの判断は「相場動向次第」。ドル/円の変動に合わせて、ヘッジ比率を5割から8割程度まで機動的に上下させることで、リスクの最小化を狙う。

年始以降、円相場の変動が大きくなっていたことから、前期末時点のヘッジ比率は7割弱へ上昇した。ヘッジ比率が高まれば、得られる金利収入は減少するため「しばらく守り(の運用)になるかもしれないが、そこは止む無しという判断だった」という。

今年度も金融市場は米トランプ政権の下で波乱の出足となっているが、内村氏は「一時的な(米国などの景気)減速はあるかもしれないが、大きなクラッシュに至ることはないだろう。関税政策や市場変動がある程度落ち着けば、巡航速度に戻るのではないか」と話している。

今年度の株式投資は国内が50億円程度の増加で、外国株は横ばい。投信やオルタナは100億円増を見込んでいる。相場見通しは以下の通り。

前期実績は国内債が200億円減、外債が800億円減だった。

年度内 年度末

日本国債10年物利回り 1.00─2.00% 1.60%

米国債10年物利回り 3.50─5.00% 3.80%

国内株式(日経平均株価) 2万7000─4万2000円 3万7000円

外国株式(NYダウ) 3万3000─4万7000ドル 4万3000ドル

ドル/円 130─150円 135円

ユーロ/円 145─170円 150円

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