ビルマ大統領「スー・チー閣僚起用の条件」
──クリントン長官は1月13日に、外交関係の正常化を目指して大使派遣の手続きを始めると発表した。
今のところ、大使を任命するという発表はないようだが。
欧米諸国がわれわれに求める条件は3つ。政治犯の釈放、補欠選挙の実施、スー・チーをはじめとする人々を政治プロセスに参加させることだ。これらの条件は既に達成したと、私は確信している。欧米の側もやるべきことをやるべきだ。
3つの条件を実行したのは、国の外から圧力を受けたからではない。この国のために必要だと思ったから、やったのだ。
──経済制裁の圧力のせいではないと?
経済制裁の目的は政府を痛めつけることだったが、実際は国民の利益を損なった。民主主義体制への移行の手続きを実際に決めたのは、前政権だ。
──03年に発表された7段階の民政移管計画のことか。
民主主義体制を導入できるように前政権が計画を決め、必要な段階を1つずつ実施してきた。
──今の改革はずっと以前に決まっていた計画で、段階的に進められてきたということか。
体制を一晩で変えることはできない。一晩で変えようとして、事態を悪化させた国もある。だから7段階の計画を1つずつ進めてきた。今のわれわれは民主的な選挙で選ばれた政府だ。
──しかし閣僚の4分の1は軍人とすると定められ、実際にあなたも含めて大半が軍出身者だ。私たちの考える民主主義は、文民政権が軍を支配する。
軍は既に政府の執行機関には関与していない。この国の発展には軍の協力が必要だから、彼らを切り捨てることはできない。
──強力な軍隊は必要だが、権力は文民の手にあるべきだというのがアメリカの考え方だ。アメリカの大統領は軍の統合参謀本部議長より権力がある。それが私たちにとっての民主主義だ。
この国の憲法を勉強してもらいたいものだ。われわれの憲法でも、軍の最高司令官は大統領が任命する。
──アメリカはあなた方と北朝鮮の関係も懸念している。北朝鮮の支援で核開発を進めているかもしれない、とも言われている。北朝鮮との軍事関係を断つつもりはあるか。
北朝鮮とは外交関係を結んでいるが、核開発や兵器の開発協力といった関係はない。われわれは核兵器不拡散を支持し、国連決議にも従っている。(そのような懸念は)疑惑にすぎない。
核は保有しておらず、北朝鮮との軍事協力もない。北朝鮮はわれわれの国を支援できる状況ではなく、われわれには核開発を始める財政手段がない。