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対テロ活動「アラブの春」に凍るCIA
民主化運動で揺れる中東諸国の米諜報員はネットワークを失って窮地に立たされている
新しい国へ カイロのタハリール広場でムバラク退陣を求める市民(2月8日) Asmaa Waguih-Reuters
ひどいなりに、昔は良かった。これが中東各国に潜むアメリカのスパイたちの正直な思いではないか。独裁者たちが健在だった時代には、怪しい奴を捕まえて彼らの国の警察に引き渡せば、いくらでも手荒な方法で尋問してくれた。独裁は悪だが、独裁者とは取引できた。
ノスタルジアではない。実際に良かったのだ。今年に入って中東各地で起きた民主化運動がもたらす混乱に、多くの対テロ諜報員や専門家は危機感を抱いている。一方でアラブ世界により大きな自由と平等、安定が生まれる兆しは見えない。
「民主化だと喜ぶのはばかげている」と、数十年を対テロ活動にささげてきたある諜報員は言う。彼らの仕事はやりにくくなっただけだ。「何が入っているかも知らないで魔法の箱を開けてしまったようなもの。最悪の事態になりかねない」...本文続く
──ここから先は6月22日発売の『ニューズウィーク日本版』 2011年6月29日号をご覧ください。
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カバー特集は「崖っぷちのアメリカ」。中東の地殻変動で拠り所を失うCIAの苦悩の他にも、1400万人の失業を克服するためのビル・クリントン元大統領からの提言、期待はずれだったバラク・オバマ大統領に代わる男など、自信喪失に陥った超大国の運命を、多角的に探りました。
他にも
■鬼才ガリアーノ、破滅の真相
■アップルの頭脳流出が始まった
■国境の町を蝕む北朝鮮ドラッグ、など
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[2011年6月29日号掲載]