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中国経済中国人が裸一貫から大富豪になる秘訣
スーパーリッチの8割はたたき上げ。だが合法的に築いた富だと信じる中国人はわずか5%しかいない
買い手は誰? 親の財産を相続して大富豪になる中国人の割合はまだ意外と少ない CDIC-Reuters
今の時代でも、勤勉さと資本主義的な起業家精神を発揮すれば、貧しさから抜け出して億万長者になれる可能性のある国がある。もちろん、中国のことだ。
中国の長者番付を発表している雑誌「胡潤百富」によれば、同国に突如登場したスーパー富裕層のうち80%は、自力でその資産を築いた人々だという。10億元(約1億5400万ドル)以上の資産を保有する40歳未満の大金持ち56人を対象に調査を行ったところ、親族などから莫大な資産を相続した人はわずか12人だったという。
さらに驚いたことに、現在中国で10億万元以上の資産を保有する人の数は1900人に上る。成功の秘訣? それは中国以外の大学で学ぶことだ。
胡潤百富の調査では、対象者56人のうち半数は欧米の大学で学位を取得し、60%はビジネスを専攻していた。全体のうち15人はエンタテインメント業界やIT産業、14人は不動産業界、10人は製造業で成功をつかんだ。
それ以外の人々は、業種もさまざま。米NBA(全米プロバスケットボール協会)のヒューストン・ロケッツで選手として活躍する姚明(ヤオ・ミン)もその1人だ。
中国の人々は、こうしたスーパー富裕層の登場を自国の讃えるべき功績とみているのだろうか。実はそうでもない。
国営メディアの新華社通信も、そのことを認めている。5月17日付けの記事(電子版)では、「経済や社会に貢献せずに金持ちになった人を冷笑するムードが再び高まっている」と指摘。その背景には、成功に汚職や賄賂はつきものだという不信感があるという。北京の中国人民大学が行った世論調査によると、富裕層の資産は合法的に築いたものだと回答した人はわずか5・3%だった。
記事では、贅沢な家を次々と建てて住宅価格を吊り上げる開発業者に対する27歳の会計士の言葉が引用されている。「私たちの体から1滴残らず血を搾り出そうとする吸血鬼みたいだ」