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リビアカダフィの反攻を止める8つのステップ
犠牲を最小限に抑えつつカダフィ政権を打倒するには、「飛行禁止空域」を設定する前に備えるべきことがある
承認の証 フランスのサルコジ大統領と握手するリビアの反体制派の外交責任者エサウィ(右、3月10日) Gonzalo Fuentes-Reuters
フランス政府は3月10日、リビアの反体制派組織「国民評議会」を正当な政府として認めた。この発表は、内戦状態が続くリビアにNATO(北大西洋条約機構)が介入する扉を開いたとも言えるだろう。
これは悪いことではない。何らかの行動をとらなければならない状況に至る場合はある。大量殺戮が起きてからでは手遅れになる――私はそんな懸念を抱いていた。
ただし、NATOがすぐにでも「飛行禁止空域」を設定すべきということでは断じてない。それよりも、まず検討すべきステップがいくつかある。最初に考えるべきなのは、数百万のリビア人が自由のために戦おうとしていること。どうしたら彼らを手助けできるのか、ここでは順を追って8つのステップを提示したい。
■まずは、できるだけ早く戦車に対抗するための武器を反体制派に提供する。携行式ロケット弾(RPG)は、室内から発射したりしなければ、扱うのはそれほど難しくない。ヘリコプターも撃墜できる。
■最高指導者ムアマル・カダフィ大佐の部隊が空から及ぼす最大の脅威は、実は戦闘機ではなく、飛行禁止空域で対策をとるのが難しいヘリコプター。戦闘機と違って、ヘリコプターはどこでも自在に発着できるからだ。しかし反体制派にいくつかのRPGと50口径の機関銃(もしくは東欧などで使われる同等のもの)を与えれば、強力な抑止力になるはずだ。
■カダフィ側の通信を傍受して、部隊の動きや攻撃の標的に関する情報を反体制派に提供する。
■反体制派の支配地域に食料を供給する。
フランスの情報機関は、作戦を効果的に遂行する手腕を高く評価されている。だから上記の4つの方法のうち、一部でも実行に移されていることを期待している。もしまだなら、バラク・オバマ米大統領は電話を掛け始めたほうがいい。
さらに、次の4つのステップに向けて備えるべきだ。
■カダフィのために戦っている外国人の傭兵には厳しい罰則を与えると発表する。逆に、戦いを止めてリビアを去るなら恩赦を与える。
■飛行禁止空域の設定に向けて公的な手段を講じる。例えばイタリアのシチリア島とギリシャのクレタ島にある米軍基地の軍を増強し、リビアを東と西から威嚇する。
■飛行禁止空域の設定を発表する準備を進める。ただし、数週間あるいは数カ月間継続できると確認したうえで行う。
■カダフィを拘束するため人員をリビアに投入することを決定したら、同時に飛行禁止空域を設置する。カダフィの行動や配下の組織への指揮力を阻害するためだ。
Reprinted with permission from the "The Best Defense", 16/3/2011. © 2010 by The Washington Post Company.