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イタリアベルルスコーニを襲うスキャンダル決定打
イタリアのベルルスコーニ首相にセックススキャンダルが浮上するのは、もはや珍しいことではない。だが、17歳の少女と乱交パーティーに興じたという今回の疑惑では、ついに政治生命の危機に追い込まれている。
ベルルスコーニは、2月にミラノ近郊の邸宅で開いた乱交パーティーに、17歳のモロッコ人ベリーダンサーを招いたと報じられている。ベルルスコーニは少女と面識があることは認めたものの、メディアの報道は「ゴミだ」と一蹴している。
だが今回は旗色が悪い。7月末にかつての盟友ジャンフランコ・フィーニが与党・自由国民党を離党して新党を結成して以来、ベルルスコーニの政治基盤は揺らいでいる。これまで彼に甘かったカトリック教会も今回は批判に回り、カトリック系の日刊紙アッベニーレは、「節度と品格は公職に就く者の最低限の義務」と苦言を呈している。
信仰心があついイタリアでは、教会はベルルスコーニよりも影響力を持つ唯一の存在と言えるかもしれない。
[2010年11月17日号掲載]