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航空「欠航しすぎ」欧州はアメリカを見習え
火山噴火後の飛行制限は過剰だった可能性をEUの当局者が認め、アメリカ方式を推薦した理由
募る不満 ミュンヘン国際空港で足止めされ、簡易ベッドで休む乗客たち(4月19日) Michael Dalder-Reuters
きょう19日はマサチューセッツ州では「愛国者の日」なので、その祝日を祝ってフィナンシャルタイムズ紙の記事を紹介しよう。恐らく10年に1度あるかないかの出来事──EU(欧州連合)が、特定の問題に関してはアメリカの規制モデルのほうが優れていると認めたこと──について報じている。
特定の問題というのは、何とかいう名前の火山の噴火のため、ヨーロッパを発着する航空便の欠航が長引いていることだ。
ヨーロッパの当局者は19日、この1週間で何千便もの欠航を決める判断基準になったコンピューター・モデルの弱点を認めた。
欠航便の多くはアメリカの運航基準なら運航していたはずであり、将来はアメリカ基準の採用を検討すべきだと当局者らは言う。
こうした発言によって、火山噴火後の警戒体勢は過剰だったという批判が勢いづくだろう。特に航空業界はヨーロッパ上空の飛行禁止を緩和すべきだと主張している。飛行禁止によって航空業界は1日推定2億ドルの減収になる。
アメリカでは、安全に運航できるかどうかを各航空会社の責任で決めている。EUのマチアス・ルーテ運輸総局長は、ヨーロッパもこの制度の導入を検討すべきだと言う。「アメリカモデルは安全性で劣るモデルではない。統計を見れば分かる」
付け加えると、これは極めて珍しい展開だ。通常は、緩い規制による直接的なコストを指摘するのは非常に簡単で、間接的なメリットを指摘するのは難しい。今回のケースでは、ヨーロッパ人でさえ自分たちがやや危険回避的過ぎるかもしれないと気付いたようだ。
[米国東部時間2010年04月19日(月)16時14分更新]
Reprinted with permission from Daniel W. Drezner's blog, 20/04/2010. ©2010 by Washingtonpost.Newsweek Interactive, LLC