議事堂は殺人犯がいっぱい
主要政党に反省の色なし
こうした状況は変わりそうにない。4〜5月の総選挙では、またしても犯罪の容疑者が候補者リストにずらりと顔をそろえるだろうと、専門家は予測する。
この国の主要政党は、これまで改革に抵抗し続けてきた。選挙の立候補者に犯罪関連の経歴の公開を義務づけることを求めて99年に大学教授たちが裁判を起こすと、裁判所はこの要求を認めた。
しかしBJPと国民会議派、そのほかの20の政党が手を組んで、細かい法技術的問題を引っ張り出しては新法の制定を妨害し、法律の施行を長年にわたって遅らせ続けてきた。
主要政党の抵抗ぶりを通じて二つのことがわかったと、新法制定運動の推進役になった大学教授らの団体「民主改革協会」のジャグディシュ・チョカルは言う。一つは、自分たちにとって切実な問題であれば「インドの主要政党が一つにまとまれる」ということ。もう一つは、公職に就いている悪党を守ることに関しては「政府が効率的に動ける」ということだ。
BJPと国民会議派は、凶悪犯罪の容疑者を候補者に立てないという約束すらしようとしない。「(両党ともに)何度も訴追された犯罪者は立候補させていない」と言うのは、BJPの広報担当ラジブ・プラタプ・ルディだ。「道徳に抵触する犯罪」と「凶悪犯罪」とは区別して考えるべきだと、ルディは言う。
「犯罪を犯した人間を選挙で擁立したことが一度もないとは言わない」と、国民会議派の広報担当サチャブラト・チャトゥルベディは認める。しかし「職業的犯罪者や常習的な犯罪者を擁立することはしない」と言う。
恐るべき理屈だ。では、殺人容疑に問われた回数が1回や2回であれば、善良なインド国民の代弁者にふさわしくないとは判断されないとでも言うのだろうか。
[2009年3月18日号掲載]