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「健康に悪すぎる」...女性の80%がブラジャーの着け方を間違えているという研究

Wearing an ill-fitting bra isn’t just uncomfortable, it’s bad for your health

2024年01月13日(土)10時00分
ジョアンナ・ウェイクフィールド=スカー(ポーツマス大学生体力学研究室教授)
ブラジャー

FotoDuets-shutterstock

<サイズの合わないブラジャーは単に不快感だけでなく、運動不足にもつながり、健康問題を引き起こすという研究について>

間違ったサイズのブラジャーを着用することによって、さまざまな健康問題が引き起こされ得る。実際、乳房のサポート力不足により、実に過半数の女性たちが胸の痛みを申告しているという研究結果がある。

サイズが合わないブラジャーを着用することで、通常の肌の再生力を超えて皮膚が急激に引き伸ばされることにより、肉割れや妊娠線ができてしまうなど皮膚にダメージを与えることもあるのだ。


また、首、背中、肩の痛みや姿勢の悪さにもつながり、こすれによる擦り傷などが起こる原因にもなる。そして、ブラストラップが深く食い込いこんで体を圧迫することも。

バストを小さくする「乳房縮小手術」の希望者も不適切なブラジャーの着用に起因している。80%の女性が正しくブラジャーを着用していない状況は、潜在的な問題となっている。というのも、乳房縮小手術希望者の全員が正しくブラジャーを着用していなかったという研究結果があるからだ。

また、乳房が十分にサポートされていないなど、ブラジャーのフィット感の悪さは、運動の忌避にもつながっており、長期的な影響は明らかである。それにもかかわらず多くの女性たちがいまだ自分に合っていないブラジャーを着用し続けているのだ。

カップサイズを忘れよう

1935年、ワーナーブラザーズ社はブラジャーサイズに胸のボリュームを取り入れた。それこそが現在でも使用されているアルファベットの「カップサイズ」である。

当時のブラジャーはDカップまでであった。しかし、当時のカップサイズ法から女性の体型は大きく変化している。欧米では多くの女性たちがDカップ、またはそれ以上のサイズのブラジャーを購入しており、一部の下着メーカーではNカップのブラジャーも製造している。

ブラサイズの測定は難しく、正確には測定時の呼吸や姿勢、そしてやせ型など体型に影響される。そのため本来はパッドのない薄いブラジャーの上で測定すべきであると研究者は提唱する。

しかし、ほとんどの女性はサイズが合っているかいないかにかかわらず、いま現在使用しているブラジャーを着用したままに店でフィッティングされることが一般的だ。

また、下着の製造メーカーによってブラジャーのサイズが異なるため、統一規格のサイズ表や補正方法は存在していない。そのため残念ながら、ブラジャーのフィッティングは経験に頼っているのが現状だ。

そのためブラジャー市場は混乱している。靴とは異なり、乳房は生理周期であったり、生涯を通してサイズや形、そして位置も変化する。そのためブラジャーのサイズは定期的に変わり得るのだ。それにもかかわらず、ブラジャーのフィッティングを評価するためのガイドラインがほとんどない。

私の研究チームは世界中のほぼすべての下着メーカーと協力し、科学的かつエビデンスに基づいたブラジャー開発方法を提供している。3Dスキャナーと生体力学を駆使することでブラジャーのフィット感を理解することを目的としている。

つまり、テープメジャーに頼るのではなく、女性がブラジャーのフィット感を自分で評価できるように学びの機会を提供するということだ。

University of Portsmouth Bra Fitting Animation


これまで13年以上にわたって女性の乳房とブラジャーを科学してきた経験を活かし、「ブラフィットビデオ」を制作した。5つの簡単なステップにより、ブラサイズではなく、フィット感でブラジャーを選択できるようになる。

この簡単なチェックリストによって、女性がブラジャーによる健康問題を避けることにも役立ち、さらにABCといったカップサイズとも簡単におさらばできるようになる。

The Conversation

Joanna Wakefield-Scurr, Professor of Biomechanics, University of Portsmouth

This article is republished from The Conversation under a Creative Commons license. Read the original article.

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