コロナ禍で結婚式のスタイルは大きく変化したが、本当の「黒船」はZ世代
Are Weddings OK?
Z世代が望む形式は?
だが、なかなか廃れない伝統もある。
「コロナ禍では、大きなウエディングケーキはあまり人気がなかった」と、ブライダル企業を経営するアマンダ・ヒューディーズは話す。「でも、最近はカムバックしている」
ジョー・バイデン米大統領の孫ナオミ・バイデンが、昨年11月に挙げた結婚式では高さ2メートル以上のケーキが登場。花嫁と花婿は脚立に上ってケーキカットを行った。
挙式のオンライン中継というコロナ禍ならではの変化も、予想に反して長続きしそうにない。結婚式のライブストリーミング配信サービスを手がけるキャロライン・クレイデンバーグによれば、事業が絶好調だったのは21年。以降は「横ばい状態」だという。
マイクロウエディングを選ぶ人、親族に高齢者や国外在住者が多い人などには今も人気だが、市場は拡大していない。
もはや新型コロナは「イベント開催時に大きな懸念ではないという印象だ」と、ブライダル情報ウェブサイトを運営するジェシカ・ビショップは話す。
「テイラー・スウィフトがツアーを再開し、観客6万人規模のスタジアム公演を行っているくらいだから」
人気歌手スウィフトのコンサートと現代の結婚式には、ある共通点が存在する。集まる人の中核年齢層がおそらく、20代後半~40代初めのミレニアル世代だということだ。
つまり、ウエディング業界の行く手には、パンデミックよりも大きな変化が待ち構えている。「(ミレニアル世代の次の)Z世代が望む結婚式をめぐって、業界全体が数多くの問いを抱えている」と、クレイデンバーグは指摘する。
ウエディングを根底から変えるのは、コロナ禍ではなくZ世代なのか。答えが出る日は遠くない。