相性最高の3人組が帰ってきた!ボーイジーニアスに要注目──再始動し初のアルバムを発表
A Band of Friends
3人が手を組むのは必然
新しいアルバムは、18年にボーイジーニアスが一度活動を終えた地点からスタートする。1曲目の「ウィズアウト・ユー・ウィズアウト・ゼム」のサウンドには、初のミニアルバムの曲「ケチャム、ID」と同じく、カントリーなどのルーツミュージックの影響を受けた音楽ジャンル「アメリカーナ」やカーター・ファミリー的なところがある。
本作が3人の音楽の幅を広げたことは、「サタニスト」や「アンチ・カース」のようなギター主導のロック曲から特に強くうかがえる。一方で変わりないのは、メンバーが代わる代わるリードボーカルを務めていること、3人の見事なハーモニー、そして人間関係や不安、友情といったものをテーマに内省的でしばしば重たい感情が描かれていることだ。
「このアルバムの曲はテーマに合わせて並べられている感じかな。初めのほうは、メンバー同士で見せ合う前にほぼ完成していた曲」とブリジャーズは言う。「後半は、アルバム制作や私たちの友情、互いの距離の近さについての曲が並んでいる」
デーカスも言う。「自らを信じる力を互いに高め、互いの信頼を肯定し、話しづらいことがあるときでも『いいんだよ』とうなずいてみせることを歌った曲が多くなった」
最新シングルは明るい曲調の「ノット・ストロング・イナフ」。ブリジャーズはこの曲について「精神的な問題について、友達に話しているような感じ」と語る。「自分のノイローゼをネタにおふざけを言い合っているというか。だから、この明るさは歌詞のテーマに変な形でだけれど沿っている。友人と話しているときなら、そんなにひどい気分にはならないから」
【動画】ボーイジーニアス「ノット・ストロング・イナフ」ミュージックビデオ
「$20」は燃えるようなロックで、解放感を伝えてくる。
「自分がハッピーになれるリフを作りたかった。逃避というか、主体的に生きるために変化を求める混乱した切望がテーマで、前から取り組んでいた」と、ベイカーは言う。
「2人のおかげで、もっと焦点を絞った曲になった。このバンドでは、やりたいことを自由にできる。完璧に理解してもらえると感じるから、他人の見方に惑わされて自分を批判する必要がない」
メンバーの親密さを象徴する収録曲があるとするなら、「ウィーアー・イン・ラブ」だ。「あなたが人生を書き換えたら、私はその一部のまま?」と歌う洗練されたバラードは特定の誰かのことなのか。
デーカスは笑って答える。「フィービーとジュリエンのこと。私たちの共通の思い出について2人に語りかけている。お互いの人生の一部でなくなったら、ショックで立ち直れないと伝えている」