相性最高の3人組が帰ってきた!ボーイジーニアスに要注目──再始動し初のアルバムを発表
A Band of Friends
それぞれがシンガーソングライターとして活躍する(左から)ベイカー、デーカス、ブリジャーズは今も強い友情で結ばれている SHERVIN LAINEZ
<再始動したボーイジーニアスが初のアルバムを発表。音楽の幅を広げつつ、内省的な歌詞と美しいハーモニーは健在だ>
ジュリエン・ベイカー、フィービー・ブリジャーズ、ルーシー・デーカスの3人組「ボーイジーニアス」は、大物アーティストが結成したスーパーグループというよりは「たまたま全員が才能あるミュージシャンだった仲良し3人組」という印象を受けるユニットだ。本誌のインタビューを受ける間も、並んで座る3人の間ではジョークと笑いが絶えなかった。
リリースされたばかりのアルバム『ザ・レコード』でも、この3人の相性の良さは際立っている。ボーイジーニアスは2018年にユニット名を冠したミニアルバムを出してデビューしているが、本作は初のフルアルバムとなる。
18年にコンサートツアーを行った後、3人はソロ活動に戻った。「さよならを言ったけれど、『また今度ね』みたいな感じだった」と、ブリジャーズは言う。
デーカスはこう語る。「人生においてすごく大きな出来事であっても、私はあまりしがみつかないようにしている。だから『(ボーイジーニアスの活動は)現実だとは思えないくらい素晴らしかったのだから、これだけで十分ありがたいと思うべきで、あまり多くを望みすぎないようにしよう』っていう感じだった」
再結集のきっかけはブリジャーズが作った「エミリー・アイム・ソーリー」のデモであり、3人が曲のアイデアを出し合うために設置したグーグル・ドライブだった。
「私はソロアルバムを出したばかりで」と、ブリジャーズは言う。「(世間では)新型コロナの問題が起きていた。曲を書き始めたところで『あれ、これって間違いなくボーイジーニアスの曲だ』となって。それで2人に送ったわけ。やりとりする時間はいくらでもあったし、みんなグーグル・ドライブに(曲のアイデアを)上げるようになった」
ベイカーは言う。「フィービーが『また一緒にバンドやれない?』と言ってきたときにはほっとした。早くみんなで一緒にまた曲を書きたいと思ってはいたけれど、(2人の気持ちが分からず)不安に思っていたから、すごくうれしかった」
デーカスはこう語る。「『エミリー』が送られてきてから直接会うまで10カ月かかった。ジュリエンと私がワクチン接種を受けてロサンゼルスまで飛び、フィービーと会ったのがアルバムの曲作りのための初の移動で、(コロナ禍での)気がめいるような孤独の苦しさも、旅の予定が入っていたおかげで軽減された」