英語習得のコツは実はシンプル! 「簡単な本の音読」に効果アリ
音読の精度と読解力は比例する(写真はイメージ) LeManna-iStock
<日本の国語教育において「音読が読解力を高める」ことが知られてきましたが、英語もまったく同じ。文法訳読が重視され過ぎて、「英語を流ちょうに読む訓練」はほとんど取り入れられていません...>
NAEP(National Assessment of Education Progress/全米学力調査)は全米規模で定期的に行われている児童・生徒の学力測定です。その時々に関心の高いテーマについての調査・計測をする他、長期的な学力のトレンドや州別の学力到達度などが公表されることから「国民の成績表」と呼ばれています。
2018年にNAEPは「口頭での読みの流ちょうさ」を調査しました。(The 2018 NAEP Oral Reading Fluency Study)自動音声分析システムを使用して、児童がテキストを読み上げる音声を測定したところ、「リーディング力(読解力)と読みの流ちょうさに相関関係があること」がわかりました。
音読の精度と読解力は比例する
調査は小学4年生を対象に、テキストを読むスピード、読みの正確さ、感情表現を自動音声分析システムによって測定しました。その結果、リーディング力(読解力)が弱い生徒群は、読むスピードが遅く、読みミス(発音ミス、二度読み、戻り読み)が多く、感情が伴わない読み方をすることがわかりました。
同じくNAEPが行った別の調査によって、小学4年生終了時にリーディング力が弱い生徒は、8年生、12年生と学年が上がってもリーディング力が改善しないことがわかっています。
つまり小学4年生の終わりまでに、英語を適切なスピードで、正確に、感情を込めて読む力=読みの流ちょうさを身につけておかないと、学齢期を通してリーディング(読解力)で苦労する確率が高いことがわかったのです。
アメリカの学校では、一般に「音読スピード」と「読みの流ちょうさ」によって子どものリーディング力を評価します。1分間で何文字読めるか、読みミスがどのくらいあったか、流ちょうさは伴っていたか、を評価して子どものリーディング力が学年水準に到達しているかを診断するのです。以下は学年別「1分間に音読できる単語」の平均値です。
●小学1年 53単語
●小学2年 89単語
●小学3年 107単語
●小学4年 123単語
●小学5年 139単語
●小学6年 150単語