「女性たちが抗議行動の先頭に立っていることが誇らしい」イラン出身女優が語る民主化
‘It’s Just a Matter of Time’
「当時のシャープール・バクチアル首相を支持し、民主主義を求めるデモに、私も参加していた。大勢の市民が集まって、何時間もかけてテヘランのバハレスタン広場に向かった。でも広場に着いた途端に、狂信的なイスラム教徒の集団が私たちに石を投げ付けてきた」
彼女は頭を割られ、その場で応急処置を受け、痛み止めをもらい、家に帰った。
「国内にいる敵を政治的に打ち負かすには何が必要か。その答えを当時の私が知っていたら、家に帰ったりしなかった。痛み止めを飲んだら隊列に戻り、民主化と自由を手に入れるまで闘い続けたはず。でも私たちの世代には、そういう知識がなかった」
だからアグダシュルーは車に飛び乗り、12日間走り続け、イギリスに逃れた。以来、一度も祖国に戻っていない。だが今の活動家は違う、変革をやり遂げる知恵も力もあると、彼女は信じている。
「いま起きている抗議活動は、私の頃とは全く違う。私の世代は、宗教的独裁がどんなものかを知らなかった。普通の人が拷問を受けて、処刑される。基本的人権を求めただけで殺される。そんな日々を、私たちはまだ経験していなかった」
「でも今の世代は、そういう現実を承知の上で、それでも勇気を出して立ち上がった。そこがすごい。だから、見殺しにしちゃいけない」
「自由か、死か」の闘い
インターネットによって若者が情報を入手し、世界のほかの場所とつながることができるようになったことも「大きな違い」だと彼女は言う。もちろんイラン政府も、今回の抗議運動が始まった直後にインターネットの規制や接続制限を強化している。参加者たちは「自分が殺されるリスクを承知している」とアグダシュルーは言い、こう続けた。
「自分たちが死ぬか、自由を手にするか。そのどちらかまで闘いは終わらない。彼らはそう思っている。そして正面から敵に立ち向かい、『たとえ撃たれても、基本的人権は手放さないぞ』と叫んでいる」
イラン国内に残る彼女の家族も、「私たちのことは心配するな。死ぬか、自由を取り戻すか。2つに1つだ」と言っているそうだ。
アグダシュルーはまた、「今はイランの女性が抗議行動の先頭に立っている。そこが本当に誇らしい」と語る。もちろん国外からの温かい支援にも感謝している。