ダイアナ妃の「スカート丈」、人生の浮き沈みに比例した「変遷」を振り返る
How Princess Diana's Skirts Acted as a 'Barometer' For Her Changing Life
MIKE SEGAR/DYLAN MARTINEZ/Stringer-Reuters
<保守的だった新婚時代から、離婚直前の「リベンジドレス」、さらには自由を手にした後の「彼女らしい」スタイルまでを振り返る>
イギリスの故ダイアナ元皇太子妃は、20世紀の世界において最も大きな注目を集めた人物のひとりであり、国民の敬愛を集めた英王室のファッションアイコンとして、今も多くの人々の記憶に残っている。
彼女がパリで起きた自動車事故により、36歳の若さで悲劇的な死を遂げてから25年。そのスタイルは今も、世界中のインフルエンサーやデザイナーのお手本であり続けている。
ダイアナの友人で御用達デザイナーでもあったキャサリン・ウォーカーは、ダイアナの装いには、彼女の波乱に満ちた人生が反映されていたと考えている。「ファッション・ジャーナリストたちの間で、ダイアナのスカートの『丈』は常に大きな話題だった」と彼女は指摘し、さらにこう続けた。
「彼女のスカート丈が、その時々で変化していたのは確かだ。ダイアナの人生における変化を反映する、ちょっとしたバロメーターのようだったと記憶している。チャールズ皇太子と離婚した時は、スカート丈が長くなった。最も短かったのは、おそらく亡くなる少し前のあたりだ。彼女は流行を追わず、自分に似合うものを身に着けていた。私はそこが好きだった」
スカート丈にはダイアナのどのような心情や生活の変化が映し出されていたのかを検証した。
保守的だった新婚時代
スペンサー伯爵家の令嬢だったダイアナは、1981年にチャールズ皇太子と結婚。突如として世界中の注目を集める存在となり、その装いにも多くのものが求められるようになった。
マスコミから「シャイ・ダイ(恥ずかしがり屋のダイアナ)」の愛称をつけられた当時の彼女は、ガーリッシュで保守的なスタイルだった。首元から足首までを覆い、白いタイツで素足を隠していた。
公務の際に求められる装いについて学ぶにつれ、彼女は少しずつ、それまでの伝統から脱却し始めた。一般市民と会う時には、手袋を着けることを拒んだ。手袋があることで、人々との間に不必要な壁や距離が生まれると感じたためだ。
自分をしっかり持った、自信に満ちたダイアナが生まれつつあったが、彼女はその後も数年間は「シャイ・ダイ」らしい、足首までの長いスカートを着用していた。
90年代のプリンセス
1990年代に入ると、ダイアナは80年代に身に着けていたフリルを卒業。新たなミレニアムまでの10年間は、シンプルでシックなスタイルを好んだ。
膝下までの長い丈のスカートは履かなくなり、代わりにキャサリン・ウォーカー、ジャスパー・コンランやトマス・スターゼフスキーがデザインした、膝丈のスーツを身に着けるようになった。