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中絶した女性や協力者についての密告をたきつける「超保守化」した米最高裁

2021年09月08日(水)19時02分
マーク・ジョセフ・スターン
最高裁への抗議デモ

最高裁の判断に抗議する女性(ニューヨーク) MICHAEL M. SANTIAGO/GETTY IMAGES

9月1日、米最高裁は女性の人工妊娠中絶を合憲とする1973年の「ロー対ウェード判決」を初めて、実質的に覆した。権利擁護団体などが最高裁に、妊娠6週目以降の中絶をレイプや近親相姦も例外なく禁止するテキサス州法の差し止めを請求していたが、判事が5対4で退けた。

同法では、中絶を「幇助する」家族や病院スタッフなどあらゆる関係者に対して、当事者とは無関係の第三者が民事訴訟を起こし、最低1万ドルの損害賠償を請求できる。

リベラル派のソトマイヨール判事は「賞金稼ぎ」になると反対し、保守派のロバーツ最高裁長官もリベラル派3人に加わり反対したが、現在の最高裁判事は保守6、リベラル3。昨年9月に女性の権利擁護に努めたリベラル派の筆頭格ギンズバーグ判事が逝去したのに伴い、トランプ前大統領が任期中3人目となる保守派のバレット判事を任命。最高裁は「超保守化」した。リベラル派にとって、ギンズバーグを失った結果は重い。

©2021 The Slate Group

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