最新記事

COP26

「COP26にもっと女性を」、エマ・ワトソンさんら訴え

2020年12月18日(金)17時00分
松丸さとみ

国連本部でUN Women 親善大使としてスピーチするエマ・ワトソン 2016年 REUTERS/Brendan McDermid

<2021年スコットランドで行われるCOP26に向けて、女優のエマ・ワトソンさんや歌手のエリー・ゴールディングさんなど女性400人以上が連名で「意思決定プロセスにもっと女性を参画させて」と訴えた...... >

COP26執行チームの男女比バランス欠如に懸念

英国のスコットランドで来年11月に行われる第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)に向けて、女性400人以上が連名で「意思決定プロセスにもっと女性を参画させて」と訴える書簡が公開された。COPに多様性と包括性をもたらすことを目指す活動団体SHE Changes Climateが取りまとめたもので、英国のボリス・ジョンソン首相や、COP26で議長を務めるアロク・シャーマCOP26担当相らに宛てられている。

書簡は差出人について、COP26の執行チームが「男女のバランスを欠いていることを非常に懸念する、気候の分野で名の知られた100人以上を含む、影響力のある女性たち」だと説明している。署名者には、COP21で特別代表だったローレンス・トゥビアナ氏やアイルランド初の女性大統領を務めたメアリー・ロビンソン氏の他、女優のエマ・ワトソンさんや歌手のエリー・ゴールディングさんなど幅広い分野の著名人が含まれる。

COP26の執行チームの男女構成は、現在公開されている公式ウェブサイトによると、シャーマCOP26議長を含むメンバー4人のうち、女性は下院議員のアン・マリー・トレベリアン氏の1人だけだ。

フィナンシャル・タイムズ紙(FT)は、内閣内に設けられたCOP26ユニットと呼ばれるグループでは、女性が45%を占めているとの政府側の主張を紹介。しかしその多くは、補佐的な立場やコミュニケーションを担う立場であり、交渉を担当する役割ではないとFTは指摘している。COP26議長のシャーマ氏も、女性であるクレア・オニール氏から2月に突然交代となり就任したものだ。

「米バイデン人事と比べ英COP26は多様性を反映していない」

公開書簡は、国連が昨年発表した報告書を引用し、気候に関連した災害があった場合、男性よりも女性の方が被害を受けやすく、気候変動に対して女性の方が脆弱であることは明らかだと述べている。そのため、気候に関わる議論に適正な割合の女性が参加できないことを懸念しているのだ。

英公共放送BBCによると、世界で仕事を持つ女性の3分の1近くは農業に従事しており、気候変動で干ばつが厳しくなると、女性たちの生活が脅かされることになる。またそのため、農村部を中心に既存の男女不平等に拍車がかかるという。

かつて持続可能エネルギー担当の国連事務総長特別代表を務めたタフツ大学フレッチャースクールのレイチェル・カイト学長はFTに対し、米国のジョー・バイデン次期大統領が、閣僚やホワイトハウス高官など次期政権の人事で国民の男女比を反映したチーム作りをしている一方で、英国のCOP26執行チームは「現代の英国における多様性を反映していない」と述べた。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ロシア新型ミサイル攻撃、「重大な激化」 世界は対応

ビジネス

米国株式市場=上昇、ダウ・S&P1週間ぶり高値 エ

ビジネス

NY外為市場=ドル1年超ぶり高値、ビットコイン10

ワールド

再送-ゲーツ元議員、司法長官の指名辞退 買春疑惑で
あわせて読みたい

RANKING

  • 1

    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…

  • 2

    【ヨルダン王室】世界がうっとり、ラジワ皇太子妃の…

  • 3

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 4

    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…

  • 5

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃が妊娠発表後、初めて公の場…

  • 1

    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…

  • 2

    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…

  • 3

    キャサリン妃が「涙ぐむ姿」が話題に...今年初めて「…

  • 4

    アジア系男性は「恋愛の序列の最下層」──リアルもオ…

  • 5

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 1

    「家族は見た目も、心も冷たい」と語る、ヘンリー王…

  • 2

    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…

  • 3

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃が出産後初めて公の場へ...…

  • 4

    カミラ王妃はなぜ、いきなり泣き出したのか?...「笑…

  • 5

    キャサリン妃が「大胆な質問」に爆笑する姿が話題に.…

MAGAZINE

LATEST ISSUE

特集:超解説 トランプ2.0

特集:超解説 トランプ2.0

2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること