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レジャー今年は海やプールで泳いでもいいのか?──検証
How Risky Is Swimming?
プールも海もそのリスクは他のアウトドアレジャーと同じ JCHIZHE/ISTOCK
<水中での感染リスクは低いが、密集や人との接触で感染する可能性はある>
気温の急上昇とともに、泳ぎに行きたい気分も高まるもの。でも、新型コロナウイルスのワクチンが普及するまで、水遊び、特にプールは他の娯楽と同様に自粛すべきなのだろうか?リスクを検証してみよう。
■プールで新型コロナウイルスに感染する?
可能性はあるが、その主な理由は、大勢の人が密集し、トイレもラウンジの椅子も共用だからだ。プールでは思いがけず体がぶ つかることも多いし、マスクも着けっぱなしではいられない。だが米疾病対策センター(CDC)が提言する「水場」対策は、公園など屋外での対策とほとんど同じ。手洗いの徹底、社会的距離の確保、共用品の表面を使うたびにきれいにする、などだ。つまり、プールのリスクは基本的に、他の屋外遊びと変わらない。
■ウイルスが水中を漂って感染する可能性は?
ほとんどない。CDCによれば「プールや風呂、水遊び場の水を通じて新型コロナウイルスが広がる証拠はない」。それに専門誌ウオーター・リサーチに発表された論文によれば、このウイルスは概して塩素中では活動が弱まるようだ。
■湖や海は安全?
湖や海の水には塩素が含まれていないが、ロサンゼルス・タイムズ紙で複数の専門家が説明していたとおり、これらの場所の 感染リスクは低い。水中を漂い生き残っているウイルスがあったとしても、かなり薄まっている。人の密集度合いから言えば、ビーチや湖のほうがプールよりましだ。
■結論として、泳ぎに行っても大丈夫?
これまでに分かっている情報から考えれば、水に入ること自体は安全。だが水中での危険性を示す新たな情報が出てこないとも限らない。一番安全なのは外出しないか、外出しても他人と近づく場所を避けること。水の中であろうと外であろうと。
■ビーチやプールを閉鎖しないのはなぜ?
一律に禁止することには弊害もあり得るから。ただ、自宅の庭で家庭用プールを楽しめるなら、そのほうが安心なのは間違いない。
© 2020, The Slate Group
2020年6月30日号(6月23日発売)は「中国マスク外交」特集。アメリカの隙を突いて世界で影響力を拡大。コロナ危機で焼け太りする中国の勝算と誤算は? 世界秩序の転換点になるのか?
[2020年6月23日号掲載]