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ギター人気復活を導く「スーパークール」な和製ギター

Made in Japan

2020年05月28日(木)21時10分
マルコム・ビース(ジャーナリスト)

それでもギターは死なず

世界市場でのシェアは小さくとも、日本製ギターの世界に及ぼす影響力は大きい。ベンジャミン・ハナはバージニア州のギター小売業者だが、日本製ギターは80年代から人気が高まり、入荷するとすぐに売り切れるが、買うのは大半がコレクターだと言う。ハナによると、次なる主力生産地は中国やインドネシア、韓国になりそうだ。

ただしギター業界には問題もある。今世紀初頭には環境保護活動家や米司法省が、マダガスカルから不法に輸入した黒檀材を使用しているとしてギブソン社を追及した。当局は09〜11年にテネシー州の本社を2回も強制捜査し、稀少な動植物を保護する法律に違反したとして同社に罰金30万ドルを科した。

ギブソンはこの一件を逆手に取り、人気モデルの「レスポール」に「ガバメント・シリーズ2」と銘打った特別エディションを加えて「ギブソンはエレキギターで体制と戦う」と豪語したものだ。

いずれにせよ、新型コロナウイルスの嵐が去った後にギター業界が息を吹き返せるかどうかはロックバンドの活躍に懸かっている。楽器業界誌ミュージック・トレードの元取締役、小山眞佐子も「ライブコンサートは若い世代を刺激し、音楽を生み出したいと思わせる」と指摘する。実際、インターネットを通じたコンサートのライブ配信が定着すれば音楽ファンは飛躍的に増えるだろう。そうなればフェンダーのコールが言うように、「業界には願ってもない時代」が来る。

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