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一斉休校から3週間のスイス、学校への評価は上々。日本人女性が見た「がんばる先生たち」 

2020年04月03日(金)20時45分
岩澤里美(スイス在住ジャーナリスト)

学校からは、4人とも課題をもらっている。「こんなに短期間で休校が決定して、調整がうまくいくのだろうかと疑問でした。でも、先生たちは手探りながら、子供たちが学校とのつながりを密に感じられるよう頑張ってくださっています。休校1週目に関して、親と子供からの学校への評価がまとめられていましたが、評価は高いです」という。それぞれ、以下のような様子だ。

◆中2・長男
毎日オンライン授業が1~2時限あり、先生の顔とクラスメイト4人が画面上に映る。自分も見られている。加えて、毎日、先生がメールで課題送付。

◆小6・次男
オンラインの課題。各自の進行状況は、先生がオンラインでチェックしていて、個別にメールや電話で連絡してくれる。また、先生が1週間分の課題をまとめてメールで送付。先生が答えを送ってくれるので、自己採点し、結果を先生へ転送する。

◆小4・三男
週1回、クラス全体のオンライン授業実施。オンラインの課題と、先生から郵送されるプリント。プリントの回答はメールで届き、自己採点。個別には、5分ほど先生とスカイプ対話し、課題の質問や近況報告をする。

◆小2・長女
課題がすべて郵送された。週末に回答がメールで届き、自己採点。それらは学校へ投函する。オンラインの課題もある。先生は、個別に週1回電話をくれ、さらにメッセージを郵送してくれている。

◆小学生の3人へ 
体育の先生は、学年に合わせたスポーツのアイデアの動画を送ってくれ、子供ヨガのポスターも送ってくれる。図工の先生は、家でできる工作キットを送ってくれる。 

家庭でも、スケジュール表を作るなど工夫

子供たちの日頃のリズムをできるだけ崩さないようにするため、雅代さんは毎週、ご主人と一緒に各子供のスケジュール表を作っている。

「子供たちは普段と同じように起床し、朝食をとって、8時から12時まで、50分単位で休憩を入れつつ課題に取り組みます。休憩以外は、部屋から出ないという約束です。午後から夕方までも同じです。もちろんそのなかには、課題以外も入れています。たとえば、長女はお絵かきやピアノの練習、次男と三男はサッカーのリフティングや腕立て伏せのトレーニング、散歩(スイスは散歩の禁止令は出ていない)です。長男は、コーチと常に連絡を取り合って柔道のトレーニング、長男の希望で外国語の学習を入れています」

子供のストレス予防も考えている。スケジュール表には、本気でゲームをする時間を組み込んでいる。リフレッシュに、毎日みんなで近所の森や野原を1時間散歩する。日光を浴びれば皮膚でビタミンDが生成されるし、自然のよさに改めて気づかせてくれる機会になっているという。また、ご主人と子供たちとで、頻繁にジョギングもしている。

ここまで計画性をもった過ごし方は、どの家庭でもできることではない。しかし、「いまの非常事態は休暇とは訳が違う。子供たちには学習が大切」という雅代さんとご主人の認識と、学校側が努力していることで、うまく循環しているのだろう。対面授業とオンライン授業やプリント学習では、学びの成果は同じではないだろう。それでも、学校とのつながりをこうして保ってもらえたら、子どもにもいいし、親も助かる。課題が少なかったとして、スイスでも、年齢や学習計画に見合った課題を適切に選んで子供に与える親ばかりではない。

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