最新記事

睡眠

アメリカで、今「睡眠ビジネス」が熱い!

2019年12月11日(水)16時20分
寺町幸枝

写真はイメージ SurkovDimitri-iStock

<6時間の睡眠を7時間に変えるだけで、2264億ドル(約25兆円)の経済効果が見込めるという試算も>

ニューヨークで、お金を払って良質な睡眠を取るスペースが話題を呼んでいる。「Dreamery by Casper(ドリーマリー・バイ・キャスパー)」は、マットレス販売のスタートアップが始めたラウンジ&個室を備えた睡眠専用スペース。一方ここ数年マインドフルネスが注目を集めるアメリカでナンバー1アプリとして知られる「Calm(カーム)」が、ブース型睡眠スポットの販売を始めた。忙しい現代のビジネスマンたちにとり、良質な睡眠の確保を金で買う時代がいよいよ到来だ。

眠ることの喜びを感じる場所

非営利団体RAND(ランド)社の調べによると、米国は年間4110億ドル(約45兆円)を、疲れた労働者のために失っていると言われている。同社の試算によれば、現在6時間の睡眠を7時間に変えただけで、2264億ドル(約25兆円)の追加経済効果が見込めるというのだ。

ヨーロッパには、「シエスタ」文化が根付いているものの、米国やアジアでは、居眠りは注意に値するものと言われてきた。しかしこのところ、睡眠の重要性が声高に叫ばれるようになった。そんな中、米国で最も忙しい街ニューヨークでは、「睡眠」をテーマとしたビジネスまで登場した。

マットレス販売をするスタートアップの「キャスパー」は、昨年夏に25ドル(約2700円)で45分の良質な睡眠を提供する場所「ドリーマリー・バイ・キャスパー」をマンハッタンにオープンさせ話題を呼んだ。

2014年にメーカーとしてマットレス販売を始めたキャスパーは、このラウンジスペースを、マーケティングの拠点とするだけでなく、「自宅以外にも睡眠を取る場所を提供することが目的。眠ることの喜びを感じる体験をたくさん作り出すことにある」と、ビジネス誌のファスト・カンパニーからの取材に対応した同社シニアVPのエレノア・モーガンは話す。

ドリーマリーのセッションチケットを販売する「Classpass.com」には、1000件以上の利用者レビューが掲載されているが、5段階評価の4.9と非常に高く、昼寝はもちろん、単純にゆっくりとした静かな時間を過ごすためにこのドリーマリーを利用する人もいるという。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

新教皇選出のコンクラーベ、5月7日開始 バチカン発

ワールド

プーチン大統領、対独戦勝80年で5月8-10日の停

ビジネス

独メルク、米バイオのスプリングワークス買収 39億

ワールド

直接交渉の意向はウクライナが示すべき、ロシア報道官
あわせて読みたい

RANKING

  • 1

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 2

    タンポンに有害物質が含まれている...鉛やヒ素を研究…

  • 3

    人肉食の被害者になる寸前に脱出した少年、14年ぶり…

  • 4

    「SNSで話題の足裏パッドで毒素は除去されない」と専…

  • 5

    アメリカ日本食ブームの立役者、ロッキー青木の財産…

  • 1

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 2

    アメリカ日本食ブームの立役者、ロッキー青木の財産…

  • 3

    人肉食の被害者になる寸前に脱出した少年、14年ぶり…

  • 4

    「SNSで話題の足裏パッドで毒素は除去されない」と専…

  • 5

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 1

    アメリカ日本食ブームの立役者、ロッキー青木の財産…

  • 2

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 3

    「どちらが王妃?」...カミラ王妃の妹が「そっくり過…

  • 4

    人肉食の被害者になる寸前に脱出した少年、14年ぶり…

  • 5

    「SNSで話題の足裏パッドで毒素は除去されない」と専…

MAGAZINE

LATEST ISSUE

特集:独占取材 カンボジア国際詐欺

特集:独占取材 カンボジア国際詐欺

2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影