最新記事

健康

加糖ジュース、「飲めば飲むほど死亡リスク高まる」米研究で

2019年03月29日(金)17時20分
松丸さとみ

12万人弱のデータを追跡して...... monticelllo-iStock

<アメリカで12万人弱を対象に行われた大規模な調査で、加糖清涼飲料を飲みすぎると、心臓病やがんで死亡するリスクが高まることがわかった>

12万人弱のデータを追跡

炭酸飲料やスポーツドリンクなど甘いジュースを飲みすぎると、心臓病やがんで死亡するリスクが高まることが、12万人弱を対象に行われた大規模な調査で明らかになった。米国心臓協会が発行する学術誌「サーキュレーション」に発表された。

米ニュース専門チャンネルCNBCは、「加糖清涼飲料を飲めば飲むほど心臓病で死亡するリスクが高まる」と伝えている。

調査は、ライフスタイルや食事について数十年にわたりアンケート用紙を送り、継続的に回答してもらう形で集めたデータを使用。男性3万7716人(収集期間1986〜2014年)と女性8万647人(収集期間1980〜2014年)の合計11万8363人分のデータを米ハーバード大学の研究者チームが分析した。

なお、もともと心臓病やがんなどがあった人はあらかじめ対象外となっている。また、ここでの「1杯」とは、通常サイズのコップ、ボトル、缶のいずれかを指すという。

調査は、清涼飲料水のうち、炭酸飲料やジュースなど自然の砂糖を加えたものと人工甘味料を使用したものをそれぞれ調べた。報告書によると、自然の砂糖を加えた清涼飲料を1日に2杯以上飲んでいた人は、あまり飲んでいなかった人と比べ、心臓疾患で死亡するリスクが31%高かった。自然の砂糖の清涼飲料の摂取が1杯増えるごとに、心臓病に関連する要因で死亡するリスクが10%高まったという。

また、心臓病ほどではないにせよ、砂糖を加えた清涼飲料は乳がんと大腸がんを誘引するリスクを高めることも示唆された。

一方で、人工甘味料を使用した清涼飲料の場合は、飲む量が多い人(1日4杯以上)に限り心臓疾患で死亡するリスクがあったという。がんで死亡するリスクは見られなかった。

報告書は「水」を奨励、業界団体は反発

報告書によると、自然の砂糖を使った清涼飲料を1日1杯、人工甘味料のものに切り替えれば、死亡のリスクが全体で4%、心臓疾患関連の死亡リスクは5%、それぞれ低下する。そのため報告書は、砂糖を加えた清涼飲料の摂取を控え、人工甘味料のものに切り替えることを勧めている。

CNBCによると、報告書の筆頭執筆者である米ハーバード大学のヴァサンティ・マリク博士が考える「加糖飲料の適量」は「ゼロ」だ。しかし週に1杯か2杯程度なら健康への影響はあまりないだろうとしている。とはいえ、やはりおすすめのドリンクは「水」だという。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

イスラエル首相らに逮捕状、ICC ガザでの戦争犯罪

ビジネス

米新規失業保険申請は6000件減の21.3万件、予

ワールド

ロシアがICBM発射、ウクライナ発表 初の実戦使用

ワールド

イスラエル軍、ガザ北部の民家空爆 犠牲者多数
あわせて読みたい

RANKING

  • 1

    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…

  • 2

    【ヨルダン王室】世界がうっとり、ラジワ皇太子妃の…

  • 3

    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…

  • 4

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 5

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃が妊娠発表後、初めて公の場…

  • 1

    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…

  • 2

    キャサリン妃が「涙ぐむ姿」が話題に...今年初めて「…

  • 3

    アジア系男性は「恋愛の序列の最下層」──リアルもオ…

  • 4

    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…

  • 5

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 1

    「家族は見た目も、心も冷たい」と語る、ヘンリー王…

  • 2

    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…

  • 3

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃が出産後初めて公の場へ...…

  • 4

    カミラ王妃はなぜ、いきなり泣き出したのか?...「笑…

  • 5

    キャサリン妃が「大胆な質問」に爆笑する姿が話題に.…

MAGAZINE

LATEST ISSUE

特集:超解説 トランプ2.0

特集:超解説 トランプ2.0

2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること