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カゼのセルフケア

「なぜ私のカゼに葛根湯が効かないのか」──薬剤師に聞くその理由とは

2018年10月30日(火)14時00分
高垣育(薬剤師ライター)

のどが腫れて痛む赤いカゼ

風邪に「熱」を伴った「風熱邪(ふうねつじゃ)」が起こす赤いカゼでは体に炎症が起きて、熱がこもっている状態となっている。

代表的な症状
□のどが痛い、イガイガする
□口の中が渇く
□頭や体が熱っぽい
□舌先が赤い
□粘り気のある黄色い鼻水や痰がでる

手当ての方法
赤いカゼでは体の炎症を抑え、熱っぽさを冷ます手当てをする。ドラッグストアなどで手に入れやすい漢方薬には「銀翹散(ぎんぎょうさん)」がある。

「のどがイガイガしたり、少し痛いなどの違和感があったらできるだけ早く銀翹散で対処してください。症状の悪化を防ぐことができます」(猪越博士)

のどの症状を感じて30分~1時間以内に服用するのがベストだ。また、特にのどの痛みが気になるときには錠剤タイプの銀翹散をトローチのように口の中で舐めて溶かしても良い。

「苦みがありますがトローチのようにして口の中で溶かして使うとのどの痛みを和らげるのに役立ちます」(猪越博士)

養生のポイントは水分をしっかりとること。おすすめの食材は熱を冷ます作用を持つ大根をすりおろしたものや炎症を抑えてくれる海藻だ。辛い物などの刺激物は避けたい。

「銀翹散の炎症を抑える作用はカゼの症状改善だけに留まりません。口内炎や赤いニキビにも有用です」(猪越博士)

東洋医学には「異病同治」という考えがある。西洋医学的には異なると考えられている病気でも、それぞれの病気の「証」つまり病気の本質が同じであればひとつの処方で治すことができるという考えだ。だから銀翹散という1つの漢方薬でカゼ、口内炎、ニキビという幅広い症状に対処できる。家庭の薬箱に備えておくと便利な漢方薬のひとつだ。

今回紹介した漢方薬や養生に用いる食材は夜遅くまで開いているドラッグストアやスーパーで容易に入手できる。忙しいときの応急手当てとして頭の片隅に入れておけば「カゼかも......」と体の不調を感じたときに役立つだろう。

[執筆者]
高垣育 
薬剤師ライター。2001年薬剤師免許を取得。調剤薬局、医療専門広告代理店等の勤務を経て2012年にフリーランスライターとして独立。2017年国際中医専門員の認定を受ける。毎週100人ほどの患者さんと対話する薬剤師とライターのパラレルキャリアを続けている。愛犬のゴールデンレトリバーの介護体験をもとに書いた実用書「犬の介護に役立つ本」(山と渓谷社)の出版を契機に「人」だけではなく「動物」の医療、介護、健康に関わる取材・ライティングも行っている。

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